全日本労働組合会議

全日本労働組合会議の歴史と役割

全日本労働組合会議（略称：全労会議）は、1954年に設立された日本の労働組合の中心的な組織であり、1964年に全日本労働総同盟（同盟）に改組されるまでの期間、重要な役割を果たしました。ここでは、その成立背景や活動の概要について詳しく見ていきます。

設立の背景

1950年、GHQの指導のもとに日本労働組合総評議会（総評）が発足し、日本の労働組合は一つの大きな組織に集結しました。しかし、1951年には、総評と密接に関係を持っていた日本社会党の「平和四原則」が提起され、その内容を巡って内部の意見の対立が顕在化しました。この争いは、労働組合内部の左右の派閥を引き裂き、さらなる対立を生じさせることになります。

1952年には、日本炭鉱労働組合（炭労）と日本電気産業労働組合（電産）が賃上げを求めてストライキを行い、63日にわたる長期闘争の結果、中央労働委員会の斡旋により問題が解決されました。この一連の出来事は、労使協調を重視する右派系組合から強い反発を受け、結果的に全日本海員組合や全国繊維産業労働組合同盟など、他の労働組合の「四単産批判」を引き起こしました。

組織の形成と発展

このような状況下で、1954年の設立に至ります。全日本労働組合会議は、労使協調と反共を基本にした民主的かつ愛国的な労働運動の結集を目指しました。設立時の議長には全繊同盟からの滝田実が、事務局長には海員組合の和田春生が選出され、労働組合の運営にあたりました。

設立後の多くの活動を通じて、全労会議は労働者の権利の擁護を目指し、数々の闘争に参加しました。また、1962年には総同盟・全官公との連携を深め、全日本労働総同盟組合会議（同盟会議）を結成しました。

終焉とその後の影響

1964年、全日本労働総同盟（同盟）に改組されたことで、全労会議はその役割を終えますが、その活動の多くは後の労働運動に影響を与えました。全労会議の設立の背景には、労働組合の統一と協力の必要性がありました。これは、労働運動が持続的に成長していくための基盤を形成したといえます。

参考文献と資料

全日本労働組合会議に関する詳しい情報は、日本労働年鑑や関連書籍からも得ることができます。また、コトバンクなどの外部リンクも参考にすることができます。

全日本労働組合会議は、その誕生から改組までの約10年間で、労働運動において特異な位置を占めていました。その活動は、今なお多くの労働者の意識形成や闘争の原動力として生き続けています。

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