全日本囲棋選手権大会

全日本囲棋選手権大会

全日本囲棋選手権大会は、1934年から1936年まで、東京日日新聞、大阪毎日新聞主催により2回開催された日本の囲碁の棋戦です。1933年の日本囲碁選手権手合に続く選手権トーナメントとして、段位差による手合割ながら一部コミ出し制を採用し、総互先制による本因坊戦開始の先駆けとなりました。

優勝者は日本棋院の大広間に肖像画が掲げられるという栄誉を受けました。また、第2回の決勝戦は1936年2月26日から麹町の日本棋院で行われていましたが、この一帯が二・二六事件の反乱軍に占拠されたため、対局場を築地に移して行われるという、歴史的な出来事もありました。

開催の経緯

東京日日新聞は1926年以降、日本棋院の新進棋士による新進打切り碁戦を行っていました。1933年の読売新聞主催の日本囲碁選手権手合と、それに続く優勝者呉清源と本因坊秀哉の記念碁が大きな人気を得たことに刺激を受け、1934年に囲碁と将棋の名人戦を企画し、囲碁においては本因坊戦という形式での棋戦開催の準備を進めました。これが1939年に開始されるまでの間の準備棋戦的な意味合いとして、本棋戦が行われました。

方式

大会は、まず参加者を3つの組に分け、それぞれの組でトーナメント戦を行います。各トーナメントの勝者3名が選出され、その3名でリーグ戦を行い、最終的な優勝者を決定するという方式でした。

手合割は段位差によって定められていました。ただし、先相先の場合のみ、下手（段位が低い方）が先番の場合は2目半、上手（段位が高い方）が先番の場合は3目半のコミ出しが適用されました。

優勝者と決勝戦

第1回（1935年）
優勝者: 向井一男四段（先6目勝-呉清源六段）
他リーグ参加者: 鈴木為次郎七段
第2回（1936年）
優勝者: 久保松勝喜代六段（先相先白番半目勝-村島誼紀五段）

参考文献

坂田栄男『囲碁百年 3 実力主義の時代』平凡社 1969年
安永一『囲碁百年』時事通信社 1970年
中山典之『昭和囲碁風雲録』岩波書店 2003年

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