全日本民間労働組合協議会

全日本民間労働組合協議会（全民労協）

全日本民間労働組合協議会、通称全民労協は、1982年に設立され、日本の労働運動の中で重要な役割を果たした組織です。設立当初から、多くの労働組合が参加し、民間労働運動の統一を目指しました。その活動は1987年に全日本民間労働組合連合会（全民労連）として発展し、1989年には官公労も合流し、現在の日本労働組合総連合会（連合）へとつながります。

設立の背景

全民労協の設立に至る背景には、1962年に結成された全日本労働総同盟（同盟）があり、以降、日本のナショナルセンターは四つの団体から構成されていました。これには、日本労働組合総評議会（総評）、全日本労働総同盟（同盟）、中立労働組合連絡会議（中立労連）、全国産業別労働組合連合（新産別）が含まれます。各団体はそれぞれの思想を持ちつつ、労働戦線の統一を模索してきましたが、その度に内部の対立が問題となり、実現には至りませんでした。

1979年には中立労連と新産別が組織する全国労働組合総連合が結成され、「労働戦線統一の触媒」となる活動が始まります。さらに、1980年には労働戦線統一推進会が発足し、民間労働組合の統一を進める基本構想が提示されました。この構想は「自由で民主的な労働組合」を求め、国際自由労連（ICFTU）への加盟を目指しました。

全民労協の設立

1981年に労働戦線統一準備会が設立され、1982年12月14日、全日本民間労働組合協議会が正式に発足しました。設立時の加盟組合は41単産で、約423万5000人の組合員を擁していました。初代議長には竪山利文氏が就任し、これ以降、全民労協は労働組合の統一活動をさらに加速させました。

活動と変革

全民労協は設立後、組織の拡大を積極的に進め、さまざまな活動を行いました。1983年にはオブザーバーや友好加盟制度を導入し、毎年「政策・制度要求と提言」を発表。中央省庁や経済団体とも交流し、労働運動のリーダーシップを確立しました。

1985年には連合組織への移行についての議論が本格化し、翌1986年には連合への移行が決定しました。1987年11月には解散し、民間労働組合連合会（全民労連）が結成された後、1989年には官公労と統合して、現在の日本労働組合総連合会（連合）へと発展しました。

総括

全日本民間労働組合協議会（全民労協）は、日本の労働運動の歴史において重要な転機を迎えた組織でした。その活動を通じて、労働組合の統一と労働者の権利保護を目指す流れをつくり、後の連合設立への道を切り開いたと言えるでしょう。このように、全民労協は日本の労働運動の中での象徴的存在であり、その影響力は現在においても引き継がれています。

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