全長 (船)

船の全長（Length overall, LOA）とは

船の全長、英語で言うところのLength overall（LOA）は、船舶の最大の長さを喫水線に平行に測定したもので、船舶のサイズを示す基本的な指標です。 LOA測定の際には、船体のみに焦点を当て、帆船やトールシップ、レーシングボートなどの付随する構造物や装備品は通常除外されます。しかし、実際にはバウスプリットなどを含む場合もあり、LOAの解釈には若干の違いが存在します。そのため、帆船の全長を示す際には、LOAの代わりに「Sparred length」（バウスプリットを含む全長）や「Total length including bowsprit」、「Mooring length」、「LOA including bowsprit」などの表現が使われることもあります。

LOAの計測は船をドックに入れる際に特に重要であり、この数値によって港での船舶の係留施設利用料（滞船料）が算出されます。たとえば、「LOA1 mあたり2.50ポンド」といった具体的な料金設定があるため、船の全長は経済的に大きな影響を及ぼす要因ともなります。

また、小型ボートにおいては、ISO 8666:2002 Small craft - Principal dataに基づき、LOH（length of hull：船体の長さ）という指標も定義されています。この指標もLOAと同様に、バウスプリットのような突起物を含めずに計測されることが定められています。

甲板の長さ（Length on Deck, LOD）

LOAとは異なり、甲板の長さは船体の実際の長さから突起物を含めた点で補完的な役割を果たします。特に小型帆船では、LOAとLODはかなりの差が生じる可能性があり、そのために測定されることが一般的です。

日本の規制と大きさの分類

日本の海上交通安全法においては、全長が200m以上の船舶は「巨大船」として分類され、これにより港湾での扱いが異なります。そのため、200m未満に設計されたフェリーの例として「ゆうかり」や「さんふらわあ くれない」が挙げられますが、これらの船は199.9mと規制を回避するために設計されたモデルです。

このように、船の全長（LOA）は、主に船舶のサイズや取り扱いに関連する重要な指標であり、その理解が船の設計や運営上必要不可欠であることがわかります。本稿では、LOAについての基本的な知識や、それに関連する用語について詳しく説明しました。

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