トールシップ

トールシップとは

トールシップ（tall ship）とは、伝統的な帆装を持つ大型の帆船のことです。トップスルスクーナー、ブリガンティン、ブリッグ、バークなど、さまざまな種類の帆船が含まれます。これらの船は、1本のマストにスクウェアセイルとガフセイルを併せ持つなど、複雑な帆装構造を持つものが多いのが特徴です。

トールシップの語源

「tall ship」という言葉は、1900年にジョン・メイスフィールドが発表した航海詩『Sea Fever』の中で初めて使われたという説があります。しかし、一般的に使われるようになったのは、トールシップレースが始まった20世紀中頃のことだとされています。

トールシップの定義

トールシップの定義は、時代や団体によって異なります。初期の定義では、

全長36.6メートル以上で、全てのマストに横帆を持つ船
全長48.8メートル以上で、一部に縦帆を持つ船

とされていました。しかし、国際セイルトレーニング協会（ISTA）がトールシップレースの参加条件を緩和したことで、より多くの船がトールシップとして扱われるようになりました。

現在では、ISTAはトールシップを以下のように分類しています。

クラスA：全てが横帆の船、または全長40メートル以上の船
クラスB：全長30メートル以上で縦帆を持つ船

この定義の変更により、さまざまなサイズの帆船がトールシップレースに参加できるようになり、より多くの人々が伝統的な帆船に触れる機会が増えました。

トールシップの帆装

トールシップの最大の特徴は、その複雑な帆装です。スクウェアセイルは、マストに対して横方向に張られる帆で、風を正面から受けて船を推進させます。一方、ガフセイルは、マストの後ろ側に張られる三角形の帆で、風を斜めや横から受けて船を操縦するのに役立ちます。

これらの帆を組み合わせることで、トールシップは風向きや風速に合わせて最適な帆装を施し、効率的に航行することができます。また、帆を操るためのロープや滑車など、数多くの艤装が船上に存在し、これらを使いこなすには熟練した技術が必要です。

トールシップの歴史と文化

トールシップは、歴史的に見ても重要な役割を果たしてきました。かつては、貿易や探検、戦争など、さまざまな目的で世界中の海を航海していました。今日では、その多くはセイルトレーニング船として利用されており、若い世代に航海の技術やチームワークを教えるために活用されています。

また、トールシップレースは、世界中で開催されており、多くの人々がその壮大で美しい姿に魅了されています。これらのイベントは、帆船文化の継承と発展に大きく貢献しています。

トールシップのギャラリー

(写真やイラストはここに挿入します。)

参考文献

アメリカセイルトレーニング協会『Sail Tall Ships!（第16版）』（アメリカセイルトレーニング協会、2005年） ISBN 0-9636483-9-X
サド・コザ『Tall Ships: A Fleet for the 21st Century（第3版）』（Tide-Mark Press、2002年） ISBN 1-55949-739-4

関連項目

* トールシップレース（ポーランドのシュチェチンで1913年8月行われる大会をふくむ）

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