八出

八出（やいで）

岡山県津山市に位置する「八出（やいで）」は、長い歴史と独自の地理的特徴を持つ地域です。この地の郵便番号は708-0861です。

地理

八出は、かつて福岡村の一部であり、旧久米南条郡および現在の久米郡域の北東端に位置しています。東側を流れる吉井川を境に、旧苫田郡や旧勝田郡の地域と隣接しています。具体的には、吉井川沿いの北側で東は川崎、西は材木町と接し、全体としては東に川崎、日上、西と南に横山が隣接しています。

地区内を流れる主要な河川は吉井川です。

歴史

八出の歴史は、近代の市町村制施行以降、行政区画の変更を経験しています。

1889年（明治22年）6月1日、町村制の施行により、久米南条郡八出村は同郡内の小桁村、押渕村、金屋村、荒神山村、種村、横山村と合併し、福岡村が成立しました。旧八出村の区域は福岡村の大字八出となりました。

1900年（明治33年）4月1日には、久米南条郡と久米北条郡が合併して久米郡が誕生し、福岡村は久米郡の所属となりました。

1901年（明治34年）4月1日には、久米郡佐良山村の大字大谷の一部が福岡村に編入されています。

そして、1929年（昭和4年）2月11日、福岡村は苫田郡の津山町、津山東町、院庄村、西苫田村、二宮村と合併し、津山市の一部となりました。

地名の由来

「八出」という地名の由来については、後醍醐天皇の伝承が語り継がれています。一説によると、後醍醐天皇が隠岐へ配流される道中、美作国に立ち寄られ、七日間滞在された後、八日目の朝に出発されたことからこの名が付いたとされています。

この伝承を裏付けるかのように、周辺には関連する場所が存在します。八出から南へ数キロの神南備山を越えた種という地域には、天皇が腰を下ろされたとされる大きな石が残されています。また、西方の院庄では、児島高徳が天皇奪還を試み、失敗後に桜の木に漢詩を刻んだという故事が有名です（作楽神社に関係）。これらの出来事から、後醍醐天皇が八出の地を通られたことは十分に考えられ、地名の由来としての伝承に信憑性を与えています。

現代の八出

2021年（令和3年）1月1日現在の世帯数と人口が把握されています。市立小・中学校への通学については、定められた学区が存在します。

交通面では、岡山県道26号津山柵原線が地区内を通っています。

主な施設としては、津山市中央公民館東八出分館や中央廃棄物処理センターが立地しています。

これらの情報は、『角川日本地名大辞典』などの参考文献に詳しく記されています。

もう一度検索