八剣駅

八剣駅

八剣駅（やつるぎえき）は、かつて日本の岐阜県羽島郡岐南町に存在した、名古屋鉄道（名鉄）名古屋本線の鉄道路線駅です。現在の名鉄名古屋本線において、岐南駅と笠松駅の間に位置していました。

駅名の由来

駅名の「八剣」は、駅が開業した当時にこの地が属していた行政区分である岐阜県羽島郡八剣村（現在の岐南町の一部）に由来しています。ただし、現在の岐南町内に存在する「八剣」という同名の地名とは、場所が異なる点に留意が必要です。

歴史

八剣駅の歴史は、名鉄の前身にあたる美濃電気鉄道によって始まりました。具体的な沿革は以下の通りです。

1914年（大正3年）6月2日：美濃電気鉄道の駅として開業しました。この路線は後に名鉄の主要路線の一部となります。
1944年（昭和19年）：第二次世界大戦中の戦況などにより、営業を休止しました。
1969年（昭和44年）4月5日：休止期間を経て、正式に廃止されました。

約半世紀にわたる歴史の中で、様々な変化を経てその役割を終えました。

停車種別と隣接駅

営業当時、八剣駅に停車する列車は各駅停車（普通）のみでした。優等列車である特急や急行は通過していました。

営業当時の所属路線と隣接していた駅は以下の通りです。

名古屋鉄道 名岐線（現在の名古屋本線の一部）
* 笠松駅 ← 八剣駅 → 境川駅

なお、開業から比較的短い期間であった1917年（大正6年）までは、笠松駅と八剣駅の間に下徳田駅、八剣駅と境川駅の間に印食駅という別の駅も存在しましたが、これらはいずれも同年に廃止されており、八剣駅よりも先に姿を消しています。

駅跡

八剣駅は廃止されたため、駅舎やホームなどの構造物は現存していません。しかし、その跡地は現在の名鉄名古屋本線の線路沿いに特定されています。

駅の跡地は、現在の笠松駅から名鉄岐阜駅方面へ向かって、およそ700メートルほど離れた場所にあったと考えられています。現在の行政区分では、岐阜県羽島郡岐南町徳田西四丁目の辺りに該当します。

この付近の名古屋本線は、現在も線路が排水路に沿って敷設されています。その排水路の土手の一部には、古い玉石積みの箇所が残されており、これがかつてこの地に駅が存在したことを示唆する痕跡ではないかと推測されています。

八剣駅は、地域の交通を支えた一時期を経て、現在はその歴史を静かに物語る場所となっています。

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