八坂町 (高松市)

八坂町（やさかまち）

香川県高松市の中心市街地、高松市役所から約0.7kmの距離にある町丁です。郵便番号は760-0049で、住居表示に関する法律に基づく住居表示は実施されていません。

地理

高松市都心部に位置する八坂町は、東は県道160号高松港栗林公園線、南は市道八坂町塩上線、西は市道片原町多賀町線、北は市道亀井町2号線によって区画されています。町域内には高松琴平電気鉄道（ことでん）志度線の瓦町駅ホーム（4番・5番のりば）があり、町の南部一帯は鉄道敷地が占めています。この地区は瓦町駅の裏手にあたるエリアで、飲食店や事務所、個人の住宅やマンション、倉庫などが混在しながらも比較的静かな環境です。瓦町駅の琴平線・長尾線のホームは、八坂町の駅舎から連絡通路で結ばれた隣接する常磐町（現在は町域変更により八坂町に接する部分も瓦町となっています）の琴電瓦町ビル内に位置しています。

人口と統計

2010年の国勢調査によると、八坂町の人口は88人（男性37人、女性51人）、世帯数は51世帯でした。面積は約1万4385平方メートルで、人口密度は1平方キロメートルあたり約6117人となります。町域全体が小中一貫校である高松第一小学校・中学校の校区に指定されています。都市計画法に基づく用途地域は、全域が商業地域に指定されており、容積率は400%です。

歴史

「八坂町」という町名の由来は、隣接する塩上町にある八坂神社の門前町であることにちなんでいます。この土地はかつて高松城の城下町の範囲外にあたり、香川郡東浜村の一部でした。1890年（明治23年）2月15日に高松市が誕生した際、東浜村から分離され高松市の一部となりますが、城下町の外であったため城下町に由来する正式な町名がなく、「十番長屋」という通称で呼ばれていました。

鉄道の歴史も古く、1912年（明治45年）4月30日には高松電気軌道（現在のことでん長尾線）が開通し、現在のことでん瓦町駅志度線ホーム付近に出晴駅が開業します。翌1913年（大正2年）10月15日には東讃電気軌道（現在のことでん志度線）が今橋駅から延伸され、同じく起点駅として現在の長尾線より北側、ことでん瓦町変電所付近にも出晴駅が開業しました。

1914年（大正3年）、通称地名しかなかったこの地に正式な町名として「八坂町」が設定され、高松市の町丁となりました。その後、志度線はさらに延伸を続け、1915年（大正4年）には公園前、1917年（大正6年）には高松駅前まで市内線として開通しました。

1945年（昭和20年）7月4日未明には、アメリカ軍による高松空襲により壊滅的な被害を受け、町内は焼失率100%で灰燼に帰しました。この空襲の影響で、同月30日には出晴駅が廃止され、現在の瓦町駅に統合されています。

空襲で壊滅した高松市中心部では、戦災復興土地区画整理事業が進められました。八坂町もことでん琴平線の鉄道敷より西側（現在の瓦町）が第一工区一次、東側が第一工区二次として区画整理の対象となり、町内の多くの道路が拡幅整備されました。この区画整理事業が完了し換地処分公告が行われたのは、第一工区一次が1958年（昭和33年）7月10日、第一工区二次が1964年（昭和39年）1月25日です。

区画整理の換地処分公告の翌日である1964年（昭和39年）1月26日には地番整理が実施され、町域の一部が瓦町一丁目・二丁目および塩上町一丁目〜三丁目に編入されるとともに、塩上町の一部が八坂町に編入され、現在の町域が形成されました。

主要施設

町内には、ことでん志度線瓦町駅や松岡書店、高松琴平電気鉄道瓦町変電所・ことでんサービス本社などが位置しています。

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