八多川 (徳島県)

八多川は、徳島県徳島市を源流とし、勝浦川へと流れ込む河川です。主に八多町や中津峰山の麓を流れ、地域住民の生活と自然に深く関わっています。

地理的特徴

八多川の源流である中津峰山には、特に有名な5つの滝が存在します。これらは総称して「八多五滝」と呼ばれ、それぞれに「雌鴨の滝」「雄鴨の滝」「御来迎の滝」「布引きの滝」「蔵王の滝」という美しい名前が付けられています。これらの滝は、八多川の景観を特徴づける重要な要素であり、多くの観光客や写真愛好家を魅了しています。

水質と生態系

八多川は、COD（化学的酸素要求量）が2ppmという非常に良好な水質を誇ります。この清らかな水質は、多様な生物の生息を可能にしており、カワムツ、ヨシノボリ、サワガニ、ザリガニなど、様々な水生生物が確認されています。しかし、下流部においては、水の流れが滞り、場所によっては干上がってしまう箇所も見られます。このため、下流部の水質改善や生態系の保全が課題となっています。

支流

八多川には、以下の支流が存在します。

夏焼谷川
仕出川
金谷川

流域の自然と施設

八多川流域には、豊かな自然環境とともに、地域の歴史や文化を伝える施設も点在しています。

八多五滝: 前述の通り、八多川を代表する景勝地です。
中津峰山: 八多川の源流であり、豊かな自然が残る山です。
犬飼農村舞台（五王神社）: 地域の伝統芸能を伝えています。
徳島市宮井小学校/八多分校: 地域の子どもたちの学び舎です。
宇母理比古神社: 地域の信仰の中心です。

参考文献

* 『角川日本地名大辞典 36 徳島県』（1986年 ISBN 4040013603）

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