八大夜叉大将

八大夜叉大将（はちだいやしゃたいしょう）は、仏教において毘沙門天の眷属とされる夜叉鬼神のことであり、人々に守護をもたらすとされています。

毘沙門天との関連性

夜叉と羅刹は、古代インド神話において悪鬼の総称として用いられていました。夜叉については、別の項目で詳しく解説します。
毘沙門天は、元来暗黒界に住む夜叉鬼神の長であるとされていました。しかし、毘沙門天（クベーラ）が仏教に帰依したことで、悪鬼であった羅刹や夜叉なども仏教に帰依することになったのです。

元々悪鬼であった夜叉などは、善神として毘沙門天や他の神々と共に祀られるようになりました。毘沙門天の配下には5000もの夜叉がいるとされ、その頂点に立つのが八大夜叉大将です。

八大夜叉大将は、常に毘沙門天の指示に従い、祈願する人々を守護すると言われています。そのため、守護八大夜叉神とも呼ばれています。毘沙門天の眷属には、毘沙門天二十八使者なども存在し、信貴山朝護孫子寺の毘沙門天二十八使者が有名です。

八大夜叉大将の名前

八大夜叉大将は以下の通りです。

宝賢夜叉（ほうけんやしゃ）
満賢夜叉（まんけんやしゃ）
散支夜叉（さんしやしゃ）
衆徳夜叉（しゅうとくやしゃ）
応念夜叉（おうねんやしゃ）
大満夜叉（だいまんやしゃ）
無比力夜叉（むひりきやしゃ）
密厳夜叉（みつごんやしゃ）

経典によっては、若干名称が異なる場合があり、必ずしも一定ではありません。

その他の夜叉

八大夜叉大将の他にも、仏教に帰依し、信仰の対象となっている夜叉神も存在します。

例えば、子供の守り神として知られる鬼子母神や、薬師如来の眷属である十二神将、大般若経の守護神である深沙大将などが有名です。

八大夜叉大将