八将神

八将神について

八将神（はっしょうじん）は、陰陽道における方位を司る八つの神の総称として知られています。これらの神々は、方位の吉凶を判別する重要な役割を果たしており、時には八将軍とも呼ばれています。彼らの信仰は古く、民間伝承においては牛頭天王の八王子とされ、牛頭天王の妻である娑伽羅龍王の娘、頗梨采女（はりさいじょ）から生まれたとされています。一方で、牛頭天王は須佐之男尊と同一視されるため、妃である櫛稲田姫を母とする説も存在します。

八将神の役割

暦や占いにおいて、八将神は特に重要であり、十二支に応じて居を変えることから、その年の吉凶が左右されるとされます。基準となる太歳神が常にその年の十二支に位置し、それに基づいて他の七神が役割を果たします。以下に、各八将神の詳細を紹介します。

1. 太歳（たいさい）

太歳は、木曜星（歳星）を神格としており、十二支の方位に位置します。この神の影響を受けることが多く、特に移転や建設は吉とされていますが、訴訟や伐木は凶とされます。

2. 大将軍（たいしょうぐん、だいしょうぐん）

大将軍は金曜星（太白）の神格を持ち、三年間同じ方位に留まることから「三年塞がり」とも呼ばれます。このため、大将軍の影響下にあると、万事において大凶となることが多いとされています。

3. 太陰（たいおん）

太陰は土曜星（鎮星）の神格を有します。縁談や出産の場合には凶となるため、注意が必要です。

4. 歳刑（さいぎょう、さいけい）

水曜星（辰星）の神格である歳刑は、主に耕作において凶とされています。

5. 歳破（さいは）

この神格は土曜星（鎮星）に属し、移転や旅行において凶とされます。

6. 歳殺（さいせつ）

金曜星（太白）または火曜星（熒惑星）の神格を持つ歳殺は、縁談においては凶ですが、仏事に関しては吉となります。

7. 黄幡（おうばん）

羅睺（らごう）星の神格を持つ黄幡は、武芸には良い影響を与えますが、移転や建設においては凶とされます。

8. 豹尾（ひょうび）

最後に、豹尾は計都星の神格であり、その性質は豹のように猛々しく、家畜を求めることにおいては凶とされ、大小便に関しても凶とされています。

十二支と八将神の方位

八将神それぞれが配属される方位は、十二支と密接に関連しています。これらの神々の影響を考慮して、特定の日や時間に行動を決定することが、特に陰陽道の信仰においては重要とされています。

まとめ

八将神は、陰陽道における方位を司る重要な神々であり、それぞれが特有の役割を持っています。彼らの信仰は多くの民間伝承や暦注において重視されており、現代においてもその教えは引き継がれています。八将神についての理解を深めることで、日々の生活において吉凶を意識することができるでしょう。

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