八尺瓊勾玉

八尺瓊勾玉について

八尺瓊勾玉（やさかにのまがたま）は、日本の古代神道において重要な役割を果たす宝物で、三種の神器の一つとされています。この三種の神器は、八咫鏡（やたのかがみ）、天叢雲剣（あめのむらくものつるぎ）と共に、天皇の正当性を象徴する物として、古くから深い意味を持っています。八尺瓊勾玉は、特にその美しさと大きさから、名付けられたと考えられています。具体的には、「八尺」は約180センチメートルを指し、「瓊（に）」は美しい玉を意味し、特に赤色の瑪瑙との関連が指摘されています。

名称の由来と形態

「八尺」という単位の選定には様々な解釈が存在します。長さを強調するだけでなく、神聖な存在感を示す意味も含まれているとされていて、時には「弥栄」が転じてこの名称が生まれたとも言われています。また、瓊の字が指す美玉に関しては、古代日本において青緑色のヒスイ製勾玉が珍重されていたことが示されています。

三種の神器としての位置付け

八尺瓊勾玉は、時には「璽（じ）」と呼ばれ、剣と連携して「剣璽」と称されます。歴史的には、持統天皇の即位にあたってこの神器が神璽の一つとして奉納されましたが、実際には玉が常に伴うわけではなかったとする解釈もあります。この神話的な位置付けには多くの説が存在し、玉が身に着けられる宝として位置付けられる一方で、剣や鏡との関係性が強調されることもしばしばあります。

所在と歴史

奈良時代から平安時代にかけて、八尺瓊勾玉は皇社に保管され、天皇の近くに安置されていました。冷泉天皇のエピソードは特に印象的で、彼は勾玉の実物を確認しようとして奇行を見せましたが、結果的に神秘的な存在であることを再認識させられました。この後も、勾玉は壇ノ浦の戦いで安徳天皇と共に沈むなど、様々な歴史的事件に関与しました。

室町時代には後南朝勢力により奪われる事態が起こり、その後再び天皇に戻るまでに多くの紆余曲折を経ました。現代において、八尺瓊勾玉は第126代天皇徳仁とともにご自宅に保管されており、特別な場所に安置されています。

神話における八尺瓊勾玉

日本神話の中では、八尺瓊勾玉は特別な地位を占めており、岩戸隠れの際に神々により作られたとされています。八咫鏡と共に天孫降臨の際にも重要な役割を果たしました。特に、『古事記』や『日本書紀』において、その歴史や伝説が記され続けており、八尺瓊勾玉は日本の神話や文化に多大な影響を与えています。

このように、八尺瓊勾玉は日本の歴史や文化において欠かすことのできない存在であり、古代から現代まで多くの人々に崇められてきました。

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