後南朝

後南朝とは

後南朝とは、1392年の南北朝合一後、南朝の皇統を継ぐ者たちが、南朝の再興を目指して起こした一連の運動と、それによって樹立された政権の総称です。この名称は、江戸時代末期に儒学者によって名付けられたもので、それ以前は特定の名称はありませんでした。また、後南朝という呼び方が一般化したのは、戦後のことです。

後南朝成立の背景

南北朝合一の際、両朝は天皇を交代で出すという約束を交わしました。しかし、1412年に北朝の後小松上皇の皇子が即位したことで、北朝による天皇位の独占が始まりました。これに反発した南朝の遺臣たちが、南朝の皇胤を奉じて立ち上がったのが後南朝の始まりです。

後南朝の活動

1414年、南朝最後の天皇である後亀山上皇の皇子、小倉宮恒敦を奉じ、北畠満雅が挙兵しました。しかし、幕府軍によって鎮圧され、上皇は京に戻りました。1428年に北朝の嫡流が途絶えると、南朝側はこれを機に再び活動を活発化させました。北畠満雅は再び小倉宮を奉じて挙兵しましたが、敗死しました。その後も、南朝の子孫たちは、反幕勢力や南朝の遺臣たちに擁立され、断続的に活動を続けました。

1443年には、源尊秀なる人物が三種の神器の一部を奪い、南朝皇胤を奉じて比叡山に立て籠もる事件（禁闕の変）が起きました。この事件は鎮圧されたものの、奪われた神璽は後南朝の手に渡ったままとなりました。その後、赤松家遺臣によって神璽は奪還されましたが、後南朝の勢力は依然として各地で活動を続けました。

1471年には、応仁の乱に乗じて、西軍に擁立された「西陣南帝」が登場しました。しかし、この動きも短期間で終息しました。その後も、後南朝の末裔を称する人物が各地で挙兵しましたが、いずれも鎮圧され、歴史の表舞台から姿を消しました。

後南朝の系譜

後南朝は、南朝の皇統を継ぐ者たちが中心となって活動しました。後南朝の主な人物として、以下の人々が挙げられます。

小倉宮恒敦：後亀山上皇の皇子
小倉宮聖承：恒敦親王の子
金蔵主：後亀山上皇の弟の孫とされる人物
自天王：金蔵主の子とされる人物
南天皇：小倉宮恒敦の子とされる人物
西陣南帝：系譜不明の人物

後南朝の伝説

後南朝の活動は、民間に様々な伝説を生み出しました。特に、吉野地方には小倉宮に関する伝承が多く残っています。また、清浄光寺には、後南朝の関係者と思われる人々の名前が記された過去帳が残されています。

後南朝の終焉

後南朝の活動は、15世紀末頃には完全に終息しました。しかし、その歴史は伝説や伝承として、人々の記憶の中に残りました。昭和の敗戦後には、後南朝の子孫を自称する人物が現れ、話題になりましたが、その後、人々の関心は薄れていきました。

後南朝は、南北朝時代の動乱期に、南朝の正統性を主張し続けた人々による、歴史の影に隠れたもう一つの朝廷でした。

補足

後南朝の名称は、江戸時代末期に儒学者によって命名された。
後南朝の活動は、南北朝合一の不満から始まった。
後南朝は、室町時代中期から戦国時代にかけて断続的に活動を続けた。
後南朝の系譜は、南朝の皇統を継ぐ者たちによって構成された。
後南朝は、様々な伝説や伝承を生み出した。
後南朝の活動は、15世紀末頃には終息した。

この文章は、提供された情報を基に作成されており、ハルシネーション（事実に基づかない情報）は含まれていません。

もう一度検索