八橋城

八橋城の歴史と構造

八橋城（やばせじょう）は、鳥取県東伯郡琴浦町の八橋地域にあった日本の城で、現在は琴浦町の指定史跡となっています。この城跡は、JR八橋駅のすぐ隣にあり、鉄道の線路によって二つに分かれています。また、この城は別名、大江城とも呼ばれています。

概要

この城は、戦国時代に東伯耆の戦略的な要所として位置づけられており、行松氏の代々の拠点でした。八橋城は、尼子氏と毛利氏の激しい争いの舞台となり、歴史の記録に多くの名が残されています。城跡には、1932年に発生した航空機事故で亡くなった酒井憲次郎操縦士と片桐庄平機関士を追悼する「酒井片桐飛行殉難碑」が立っています。この碑は、翌年の1933年に建立されました。他にも、南麓に位置する泰玄寺は城主の菩提寺とされ、杉原盛重の墓があると伝えられています。

城の構造

八橋城に関する記録には、「大手は東向き、大本丸の高さは麓から26間、境地は南北32間、東西23間、巡りは87間」といった詳細な情報が残されています。また、石垣も現在に至るまで残存しており、当時の構造を垣間見ることができます。

歴史的背景

大永4年（1524年）、八橋城は大永の五月崩れによって落城し、その後尼子氏の領地となります。吉田左京亮が居城として伯耆西3郡を支配しましたが、現在ではこの説は否定されています。実際には、尼子氏の東伯耆地方への進出は天文年間以降であったとされています。さらに吉田左京亮は、播磨国で毛利勢の三村家親と戦い、討死を遂げました。その後、彼の子供である源四郎が城主となります。

永禄7年（1564年）には、吉田勢が法勝寺に侵攻してきた三村家親を討つため出陣しましたが、永禄8年（1565年）には毛利方が香川光景の援軍を受けて八橋城を包囲します。この時、城主源四郎は200人の兵と共に包囲を突破し、尼子方の月山富田城に逃げました。

その後、毛利の武将杉原盛重がこの城に居城します。しかし、天正8年（1580年）4月24日、南条氏の元続と元清兄弟が二度にわたり八橋城を攻撃しました。翌年、杉原盛重が病死すると、杉原景盛が後を継ぎますが、兄の元盛を謀殺する事件が起こります。そして、天正10年（1582年）には吉川氏に攻められ、杉原景盛が戦死しました。

豊臣氏と毛利氏の和睦後、この城は毛利氏の所有となり、その後も南条領の軍事拠点として重要な役割を果たします。慶長5年（1600年）には南条氏が滅亡し、米子城の中村一忠の領地となります。その後、様々な居城主がこの城を拠点に政務を行いました。

最後に、元和3年（1617年）から八橋は鳥取藩池田氏の領地となり、津田氏によって明治時代にかけてその政治の中心地とされました。八橋城の歴史は日本の戦国時代の重要な一端をなし、その遺構は今なお訪れる人々に当時の情景を想起させるものとなっています。

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