八行五保

八行五保

「八行五保（はっこうごほ）」という言葉は、香港の金融市場において、特定の中国大陸系大手金融機関グループを指し示す際に用いられます。具体的には、香港証券取引所（SEHK）に上場している中国大陸を代表する8つの銀行と5つの保険会社、合わせて13社から構成されています。これらの企業群は、その規模の大きさから、香港市場における中国関連銘柄の中でも特に大きな存在感を示しており、しばしば中国経済や金融セクターの動向を測る上での重要な指標の一つとして注目されます。

「八行」について

「八行」に数えられるのは、中国大陸の銀行セクターにおける主要なプレーヤーたちです。具体的には以下の8行を指します。

中国工商銀行 (SEHK: 1398)
中国銀行 (SEHK: 3988)
中国建設銀行 (SEHK: 939)
交通銀行 (SEHK: 3328)
招商銀行 (SEHK: 3968)
中信銀行 (SEHK: 998)
民生銀行 (SEHK: 1988)
中国農業銀行 (SEHK: 1288)

これらの銀行は、中国国内で広範なネットワークと強固な顧客基盤を持つメガバンクや有力商業銀行であり、香港市場においてもその巨大な資産規模や収益力によって主要な構成銘柄となっています。

「五保」について

「五保」に含まれるのは、中国大陸の保険業界をリードする大手保険会社です。具体的には以下の5社を指します。

中国人寿保険 (SEHK: 2628)
中国平安保険 (SEHK: 2318)
中国財険 (SEHK: 2328)
中国太平 (SEHK: 966)
中国太平洋保険 (SEHK: 2601)

これらの保険会社は、生命保険、損害保険、資産運用など、幅広い保険・金融サービスを提供しており、中国の巨大な保険市場において圧倒的なシェアを占めています。香港市場への上場を通じて、国際的な資金調達と認知度向上を図っています。

「八行五保」形成の歴史

「八行五保」という現在の体制は、一度に成立したものではなく、時間をかけて徐々に拡大し、形成されてきました。当初はより少ない数の銀行で構成されており、その後の企業の香港上場を経て現在の形に至っています。

その変遷は以下の通りです。

2007年4月: 中信銀行が香港証券取引所に上場しました。これにより、「五行」と呼ばれていた主要銀行グループに中信銀行が加わり、「六行」へとその数が増えました。
2009年12月: 民生銀行と中国太平洋保険が同じ月に香港に上場を果たしました。この上場により、銀行グループは「七行」に、保険会社グループはそれまでの「四保」から「五保」に拡大しました。この時点で、「七行五保」という呼称が使われるようになります。
2010年: 中国農業銀行が香港市場に上場しました。この上場により、銀行グループはついに8行となり、これにより現在の「八行五保」という体制が完成し、その名称が定着しました。

このように、「八行五保」の構成企業の変遷は、中国大陸の主要な金融機関が積極的に国際市場、特に香港市場への進出を進めてきた歴史を映し出しています。これらの企業群は、今後も香港市場において重要な役割を果たし続けると考えられています。

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