八鍬新之介

八鍬 新之介について

八鍬 新之介（やくわ しんのすけ）は1981年に生まれた日本のアニメ監督で、北海道帯広市の出身です。アニメ業界でのキャリアを持ち、特にドラえもんシリーズの制作に多く関わっています。

経歴

八鍬は、帯広市立帯広第八中学校から北海道帯広柏葉高等学校を経て、日本大学芸術学部放送学科を卒業しました。教育に対する情熱は家庭環境にも根ざしており、実母は帯広市教育委員会で教育長を務めており、実兄も舞台制作に携わる劇作家として活躍しています。

彼は原恵一監督の作品に深い影響を受け、2005年にシンエイ動画に入社しました。入社後は『ドラえもん (2005年のテレビアニメ)』の制作班に配属され、テレビシリーズの制作進行を担当しました。

映画への参加

『映画ドラえもん のび太の恐竜2006』では、テレビシリーズと並行して作業を行い、劇中に登場する恐竜図鑑のイラストを手掛けました。その後、2007年には『映画ドラえもん のび太の新魔界大冒険 〜7人の魔法使い〜』で正式に映画制作の一翼を担い、リサーチなどの役割を果たしました。

2009年には、演出を担当する宮下新平の推薦により、演出助手として抜擢されました。彼の仕事はコピー業務を含め、シリーズ内のDパートの演出も行っていきました。これにより、彼はテレビシリーズで各話の絵コンテや演出を担当するようになりました。

2014年には『映画ドラえもん 新・のび太の大魔境 〜ペコと5人の探検隊〜』で長編映画の監督としてデビューし、以降、2016年の『映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生』では脚本と兼任で監督を務めました。さらに、オリジナル作品となる『映画ドラえもん のび太の月面探査記』（2019年）も監督しました。

評価とスタイル

八鍬は、特に『ドラえもん』シリーズの中で見られる「夜行列車はぼくの家」といった作品での叙情的な演出スタイルが高く評価されています。彼は自身の演出スタイルについて、「せつなさを大事にしている」と述べており、観衆やファンに感情を響かせる作品作りを心掛けています。

最近の活動

2023年3月19日には、黒柳徹子の自伝的小説『窓ぎわのトットちゃん』の映像化作品で初めてアニメ映画の監督を務めることが発表され、同年12月8日に公開予定です。企画自体は2016年から開始され、2019年から本格的に製作が進められ、7年の歳月をかけて完成しました。この作品は2024年にアヌシー国際アニメーション映画祭の長編コンペティション部門に出品される予定で、特別賞のポール・グリモー賞を受賞できるか注目されています。

八鍬新之介は、今後も日本のアニメ界での活躍が期待される存在です。

もう一度検索