八雲 (装甲巡洋艦)

装甲巡洋艦八雲

概要

八雲（やくも）は、日本の大日本帝国海軍であり、日露戦争前にドイツから購入された初の装甲巡洋艦です。この艦は、六六艦隊の装甲巡洋艦の第一期拡張計画の一環として整備され、日露戦争から太平洋戦争の戦後まで、さまざまな任務に従事しました。

艦型

艦の船体は典型的な平甲板型で、波の影響を受けにくいように高い乾舷が設計されています。艦首には衝角が装備され、主砲として「20.3cm (45口径) 砲」が楕円筒形の連装砲塔に収められています。艦橋には1番主砲塔と司令塔が組み込まれ、航海指揮が行われました。艦の構造は、煙突が三本、艦載艇置き場とボートクレーンの基部がある単脚の後檣で成り立っています。副砲として「15.2cm (40口径) 砲」が12基、その他に水雷艇対策として艦首・艦尾に8cm単装速射砲や47mm単装速射砲も配備されています。

火砲の設計

戦艦や巡洋艦の武装口径を統一するために、大日本帝国海軍はその設計にこだわりました。八雲を含む6隻の一万トン級艦は、統一された口径の火砲を搭載しており、兵の訓練や弾薬の供給を効率的に行うことができました。主砲の「20.3cm (45口径)砲」は、横146度まで旋回可能で、仰角30度での射程は18,000mにも達します。副砲の「15.2cm (40口径) 砲」は、熟練によって毎分7発の発射が可能で、射程も9,140 mに及びます。また、艦にはそれ以外に多くの速射砲や魚雷発射管が装備されています。

機関と性能

八雲には、最新型のベルヴィール式石炭専焼缶が24基搭載され、2基の直立型三段膨張式四気筒レシプロ機関が動力源となっていました。出力は15,500hp、速力は20.5ノットを発揮します。航続距離は、石炭1,300トンで速力10ノットの条件で7,000海里に達し、その性能は当時の艦艇において大きな利点でした。

終戦時の状況

終戦時点での八雲の兵装は、40口径15.2cm砲4基、八九式12.7cm連装高角砲2基などがありました。艦の状態は中破していましたが航行は可能で、1945年12月には特別輸送艦に指定されました。建造から45年以上が経過していた八雲は、北支や台湾の輸送任務に使用されました。

艦歴

八雲は1900年にシュテッティン・ヴルカン造船所で建造され、同年中に日本へ回航されました。日露戦争では、艦隊の旗艦として黄海海戦や日本海海戦に参加し、多くの戦闘経験を積みました。さらに、第一次世界大戦では青島攻撃などにも参加しました。大正から昭和初期にかけては練習艦隊としての役割を果たし、1939年まで使用されました。1942年には一等巡洋艦への類別変更が行われましたが、多くの任務を経て、戦後は解体される運命にありました。

多くの艦長たちが八雲の指揮を執り、それぞれの時代で重要な役割を果たしました。艦長たちのリストも豊富で、その艦歴は日本海軍の歴史に刻まれました。八雲は、様々な戦闘での活躍や大正から昭和期の艦隊運用において重要な役割を担った艦艇です。

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