公 (姓)

公（こう）についての解説

公（こう）は、漢姓の一つであり、中国および朝鮮において見られる姓です。中国においては、この姓は『百家姓』において408番目に掲載されていますが、非常に珍しい姓でもあります。2020年の中華人民共和国の統計によれば、人口の多い姓のリストには入っておらず、台湾の2018年の調査では497番目の姓で、わずか136人がこの姓を名乗っています。

中国における公姓の歴史

公姓の使用例に関する古い文献には、『列子』の「公扈」という人物や、漢代の『史記』に登場する「公皙哀」および「公仲連」といった記載があります。ただし、これらはすべて複姓であり、ここでの「公」は姓と捉えることはできないとされています。また、『春秋左氏伝』には魯国の昭公の子孫として「公衍」や「公為」といった名前も見られますが、これも名の一部であり、姓とは異なるようです。明の時代には、公奎躋や公勉仁といった人物が存在し、いずれも現代の山東省にあたる地域から出ていました。

朝鮮における公姓の特徴

朝鮮では、公（こう、コン、朝: 공）は一般的な姓の一つとして認識されています。この姓には、著名な人物がいます。例えば、公炳禹は韓国初の眼科医であり、朝鮮語タイプライターの開発にも貢献した重要な人物です。

氏族の起源

公姓の本貫は8つ存在しており、757年（景徳王14年）には中国魯国の王族に由来する公尹輔が安禄山の乱を避け、金浦に定着したことからこの姓が広まりました。この系譜の中には、魯国の王族の末裔である公尹輔の子孫である公普彦を祖とする文川公氏も含まれています。

人口と分布

朝鮮における公姓の人口は、1930年の国勢調査に基づくと353世帯が平北碧潼郡に集中して居住しており、南韓の他の地域にはおよそ10世帯が存在していました。このことから、公姓は地域によって分布が異なることがわかります。

まとめ

総じて、公姓は中国と朝鮮両方で見られる姓であり、特に朝鮮では一定の知名度を持っています。ただし、中国における公姓は非常に稀であり、歴史的な記録も限られています。朝鮮では比較的多くの家系が存在し、著名人物も出ているため、文化的な意味合いを持つ姓と言えるでしょう。それぞれの地域における公姓の歴史や系譜を紐解くことで、より深い理解が得られるでしょう。

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