公園前駅 (岐阜県)

公園前駅の歴史と特徴

公園前駅（こうえんまええき）は、岐阜県岐阜市大宮町に位置していた名古屋鉄道岐阜市内線の停留場です。この駅は岐阜公園、岐阜大仏へのアクセスに便利な地点として知られ、地域の交通の要所でした。

開業と歴史

公園前駅は1912年8月28日に、美濃電気軌道の一部として開業しました。この年は大正元年にあたり、同時に本町と長良橋間が開通しました。開業当時から多くの人々に利用され、観光スポットへの玄関口となりました。

しかし、1970年代以降のモータリゼーションの進展により、岐阜市内線の利用者は減少し始め、駅の業務は厳しい状況に置かれました。岐阜市内川の本町から長良北町への区間は、特に業績が落ち込み、1988年6月1日にはこの区間が廃止され、公園前駅もその歴史に幕を閉じました。

停留場の構造

公園前駅は、併用軌道上に相対式の2面2線のホームが配置されていました。駅舎は存在せず、外観はシンプルでした。また、当停留場およびその周辺地域には半径40 - 60メートルの急カーブが続いており、幅の狭い道路が特徴でした。このため、岐阜市内線の主力車両であるモ560形やモ570形、美濃町線のモ590形は通行できず、主にモ550形が運用されていました。

運行状況と隣接停留場

公園前駅を起点としたルートは、長良北町方面へ向かう際に、特に運行本数が20分間隔になっていたこともあり、利用者にとっては整った交通機関とは言えませんでした。そのため、利用者は伊奈波通駅で折り返すケースが多く見られました。

また、岐阜市内線の終点にあたる新岐阜駅前から長良北町間の方向板には、岐阜公園や金華山ロープウェー、岐阜城の文字が記されており、観光地へのアクセスが強調されていました。

まとめ

公園前駅は、その立地から地域の重要な交通インフラの一環として機能していましたが、時代の変化と共に廃止される運命にありました。岐阜公園や岐阜大仏へ向かう多くの観光客にとって重要な場所であったこの駅の存在は、地域の歴史に深く刻まれています。公園前駅を含む岐阜市内線の廃止は、交通手段の変遷を象徴する出来事でもありました。

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