岐阜大仏

岐阜大仏について

岐阜大仏（ぎふだいぶつ）は、岐阜県岐阜市にある黄檗宗の金鳳山正法寺に安置されている仏像で、日本の三大仏のひとつとされています。この大仏は、岐阜県において重要文化財に指定されており、1974年3月6日にその地位を得ました。また、2015年には「信長公のおもてなし」が息づく戦国城下町・岐阜という日本遺産の一部として認定されました。

大仏の特徴

岐阜大仏は釈迦如来の坐像であり、その高さは13.63メートルを誇ります。顔の長さは3.63メートル、目は0.66メートル、耳は2.12メートル、口の幅は0.70メートル、鼻の高さは0.36メートルと、非常に大きな仏像です。この大仏は江戸時代後期に塑像漆箔によって制作されたもので、日本最大級の乾漆仏とも言われています。

岐阜大仏は周囲6尺（約1.8メートル）のイチョウの木を中心に、木材で骨組みを構成し、その上に竹を編んで形作られています。その竹の上には粘土が塗られ、経典が書かれた美濃和紙が張り付けられ、さらに漆が塗られ、金箔が施されています。大仏には合計で約四万巻分の経典が使用されており、これらは当時の住職によって一つ一つ読まれ、貼られたと伝えられています。この技法から岐阜大仏は「籠大仏」とも呼ばれることがあります。

建立の背景

この大仏の建立は江戸時代後期の寛政の時代に始まりました。当時の第11代惟中和尚は、度重なる地震や饑饉に心を痛め、亡くなった人々の冥福を祈るために大釈迦如来像の建立を決意しました。1791年頃から経本を集め始めましたが、思うように集まらず、各地を托鉢して必死に集めていきました。1800年には堂が完成したものの、その時点では大仏の頭部のみが完成している状態でした。

惟中和尚は1815年に亡くなったため、その後は第12代の肯宗和尚がその意思を引き継ぎ、1832年4月にようやく大釈迦如来像が完成しました。完成には実に38年の歳月がかかりました。胎内には、室町時代に作られた薬師如来像が安置されており、この薬師如来像は美濃国厚見郡革手にあった土岐氏の寺院の本尊でした。

拝観情報

岐阜大仏は岐阜県岐阜市大仏町8に位置しています。年中無休で開館しており、開館時間は午前9時から午後5時までです。拝観料は大人200円、小人100円と非常にリーズナブルです。駐車場も完備されていますが、数台分しかないため、公共交通機関を利用する方が便利かもしれません。アクセスは岐阜駅または名鉄岐阜駅から岐阜バスに乗り、「岐阜公園歴史博物館前」バス停で下車し、徒歩3分の距離です。

周辺の見どころ

岐阜大仏の近くには常在寺や妙照寺といった寺院があり、また岐阜公園や岐阜城、日中友好庭園などの観光スポットも点在しています。川原町やギャラリーも周囲にあり、訪れる際はぜひ立ち寄ってみてください。岐阜大仏はその壮麗さだけでなく、歴史的な経緯や建築技術の点でも多くの人々に感動を与え続けています。

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