公安県

公安県について

公安県（こうあん-けん）は、中華人民共和国湖北[[省]]荊州市に位置する県です。長江の南岸に位置し、その大部分が荊江分洪工程の遊水地となっています。

地理

公安県は、長江の南岸に位置しており、その地形の特徴として、大部分が荊江分洪工程によって作られた遊水地であることが挙げられます。この地域は、水生植物、草地、森林が豊富で、特に県東部にある崇湖は、その豊かな自然環境が注目されています。崇湖は、クサガメ、シマアオジ、ホシハジロ、カシラダカなど、多様な動物たちの生息地となっており、その生物多様性の高さから、2022年にはラムサール条約登録地にも認定されました。この地域は、水と緑が織りなす美しい景観を誇り、生物多様性の保全においても重要な役割を果たしています。

歴史

公安県の歴史は古く、前漢時代の前202年に、荊州の武陵郡に孱陵（せんりょう）県が設置されたのが始まりです。その後、209年（後漢の建安14年）には、公安県と改称されましたが、219年（建安24年）には再び孱陵県に戻されました。しかし、280年（西晋の太康元年）には、孱陵県から江安県が分割され、548年（西魏の武定6年）には、江安県が公安県と改称されました。隋朝時代の589年（開皇9年）には、孱陵県と永安県が公安県に編入され、現在の行政区画の基礎が築かれました。南宋時代の1130年（建炎4年）には、一時的に公安軍と改称されましたが、1135年（紹興5年）には再び公安県となり、現在に至っています。このように、公安県は歴史の中で幾度も名称や行政区画の変更を経て、現在の形に至っています。

劉備城

公安県は、三国時代の英雄・劉備にゆかりのある地としても知られています。地元の歴史書によれば、赤壁の戦いの頃、劉備は左将軍の官位にあり、その配下が「左公安在」の地と験を担ぎ、公と安の二文字を取って地名を改めたとされています。史書には、「周瑜は南郡太守となり江陵に出鎮した。劉備は長江を挟んで南岸の油江口に本営を構え、当地を公安と改名した」と記されています。盛唐の詩人・杜甫は、五言律詩「公安県懐古」の中で「江は深し劉備の城」と詠んでおり、この地が劉備と深い関わりがあったことを示唆しています。このように、公安県は歴史的にも重要な地であり、多くの人々にその名を知られています。

行政区画

公安県は、以下の鎮と郷で構成されています。

鎮:

埠河鎮
斗湖堤鎮
夾竹園鎮
閘口鎮
楊家廠鎮
麻豪口鎮
藕池鎮
黄山頭鎮
孟家渓鎮
南平鎮
章荘鋪鎮
獅子口鎮
斑竹壋鎮
毛家港鎮

郷:

甘家廠郷
章田寺郷

出身者

公安県は、以下の著名な人物を輩出しています。

袁宗道 - 明代の詩人。袁宏道の兄。
袁宏道 - 明代の詩人。
* 袁中道 - 明代の詩人。袁宏道の弟。

公安県は、豊かな自然と歴史、文化が調和した魅力的な地域です。

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