公平匡武

公平匡武（きみひら まさたけ）は、1898年（明治31年）7月19日に生まれ、1944年（昭和19年）7月18日に戦没した、日本の陸軍軍人です。最終階級は陸軍中将。

山形県出身で、陸軍少将の公平忠吉の次男として生まれました。幼少期から軍人の道を志し、陸軍中央幼年学校予科、本科を経て、1919年（大正8年）5月に陸軍士官学校（31期）を卒業しました。

同年12月に砲兵少尉に任官し、野砲兵第18連隊に配属されました。その後、1922年（大正11年）11月に陸軍砲工学校高等科（28期）を優等で卒業。1927年（昭和2年）12月には、陸軍大学校（39期）を卒業し、エリート軍人としてのキャリアを歩み始めました。

1928年（昭和3年）12月には参謀本部付となり、その後、参謀本部員、フランス駐在、フランス大使館付武官補佐官を歴任しました。1934年（昭和9年）3月には砲兵少佐に進級し、同年12月には再び参謀本部付となりました。1935年（昭和10年）7月には参謀本部員（作戦課）に就任。1937年（昭和12年）8月には砲兵中佐に昇進し、同年10月には中支那方面軍参謀として日中戦争に出征しました。

1939年（昭和14年）3月には砲兵大佐に進み、同年9月には支那派遣軍参謀（第1課長）に転じました。その後、参謀本部付、野砲兵第20連隊長を歴任しました。1941年（昭和16年）9月には第4軍参謀に発令され満州に赴任し、1942年（昭和17年）8月には同軍参謀長に就任しました。1943年（昭和18年）8月には陸軍少将に進級し、同年9月には第8方面軍参謀副長として太平洋戦争に出征しました。

1944年（昭和19年）6月には第31軍参謀副長に転じ、サイパンの戦いに参戦しました。同年7月、激戦の中で戦死し、陸軍中将に特進しました。彼の墓は多磨霊園にあります。

公平匡武は、その卓越した能力と実直な人柄から、多くの人々から信頼された人物でした。幼年学校時代から陸軍大学校まで、常に優秀な成績を収め、エリート軍人としての道を歩みました。参謀本部やフランス駐在など、様々な要職を歴任し、その能力を発揮しました。日中戦争、太平洋戦争では、参謀として作戦立案に携わり、前線で指揮を執りました。

サイパンの戦いでは、激戦の中で戦死するという悲劇に見舞われましたが、その功績は、今もなお多くの人々に語り継がれています。公平匡武は、日本の陸軍史において、重要な役割を果たした人物の一人と言えるでしょう。


参考文献

秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。
* 外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。

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