公森太郎

公森太郎

公森太郎は、明治15年（1882年）3月6日に生まれ、昭和28年（1953年）2月25日に没した、日本の大蔵官僚であり、銀行家として知られる人物です。岡山県の都宇郡大内田村（現在の岡山市北区の一部）で、公森仲次の長男として生を受けました。

経歴

公森太郎のキャリアは、明治41年（1908年）に東京帝国大学政治科を卒業したことから始まります。大学卒業後、彼は大蔵省に入省し、官僚としての道を歩み始めました。大蔵省での勤務を経て、昭和5年（1930年）8月に官職を辞し、金融界へと転じます。同年、日本興業銀行の理事に就任しました。

その後、昭和12年（1937年）4月には、朝鮮銀行の副総裁という重要な役職に就きます。さらに、昭和15年（1940年）1月には、中国銀行の頭取に就任し、その手腕を発揮しました。日本の金融政策や経済活動において中心的な役割を担った時期と言えます。しかし、第二次世界大戦の終結後、昭和21年（1946年）には、連合国軍総司令部（GHQ）による公職追放の対象となりました。

家族

公森太郎の妻はキヨ子といい、東京府出身の士族、佐藤禾夫の長女でした。子供には、長男の俊郎と二男の仁郎がおり、いずれも銀行員として活動しました。長男俊郎の妻幸子は、山口県の国弘長重の長女です。

系譜

公森家は、岡山県都宇郡大内田村を拠点とする家系です。その起源は、歌人として有名な藤原俊成の子孫であると伝えられています。俊成は中納言、皇太后太夫を勤め、権中納言藤原定家と共に『小倉百人一首』を選定した人物としても知られます。安徳天皇に仕えていた彼は、源平合戦の後、備中国平田（現在の岡山県倉敷市の一部）に移り住んだとされており、平田に残る「皇太后国（コウダイコク）」という地名がその名残であるとも言われます。

俊成の子孫である俊直から数えること十三代目の後裔にあたる人物の妻が、遺された息子為俊を連れて、大内田村の庄屋であった森竹右衛門の妻のもとへ再嫁しました。森竹右衛門には跡継ぎがいなかったため、為俊が森家の家督を継ぐこととなり、その際に姓を「公森」と改め、二代目竹右衛門を襲名したのが公森家の始まりとされています。公森家の家系は、森家の大兵衛、多助、長治郎を経て、公森仲蔵、太平孝俊、仲次光俊と受け継がれ、公森太郎（太郎正俊）へと続いています。太郎の子には俊郎、仁郎がいます。

参考文献・関連項目

公森太郎に関する情報は、『財界人物選集』（1939年発行、1089頁）に掲載されています。また、彼が関わった機関として、朝鮮銀行や中国銀行が挙げられます。

もう一度検索