六処相応

六処相応（ろくしょそうおう）

「六処相応」（ろくしょそうおう、巴: Saḷāyatana-saṃyutta）は、パーリ仏典における経蔵の相応部の一つで、35番目の相応として位置づけられています。この部は、特に感覚や認識に関連する教えを中心に構成されており、仏教の教えの根幹を成す重要な文献です。

構造と内容

六処相応は、全体で19の品からなり、248の経が収められています。ただし、その中には省略されている部分も存在します。各品は異なるテーマや教えを展開し、それぞれの内容が互いに関連し合いながら全体の教義を形成しています。

各品の具体的な内容は以下の通りです：

• - Anicca-vaggo（無常品）：全12経からなり、無常の教えを中心に展開。
• - Yamaka-vaggo（対品）：全10経から成り、対比の視点から教義を探求。
• - Sabba-vaggo（すべて品）：全10経で、存在するすべてのものに関する教え。
• - Jātidhamma-vaggo（生の品）：全10経が生の本質について論じます。
• - Sabbaanicca-vaggo（一切無常品）：全10経で、一切の存在が無常であることを強調。
• - Avijjā-vaggo（無明品）：全10経が、無明からの解放についての教え。
• - Migajāla-vaggo（ミガジャーラ品）：全11経で、特定の事例を通しての教え。
• - Gilāna-vaggo（病品）：全10経が病と苦しみをテーマに展開。
• - Channa-vaggo（チャンナ品）：全10経によりチャンナの教えを掘り下げます。
• - Saḷa-vaggo（弓品）：全10経が弓に例えた示唆。
• - Yogakkhemi-vaggo（瞑想家品）：全10経で瞑想の実践に関するガイダンス。
• - Lokakāmaguṇa-vaggo（世俗の品）：全10経が世俗の欲や恩恵に関連。
• - Gahapati-vaggo（家庭品）：全10経で家庭生活の教え。
• - Devadaha-vaggo（天界品）：全12経が天界における教えを扱う。
• - Navapurāṇa-vaggo（新旧品）：全10経の新旧の教えに関する視点。
• - Nandikkhaya-vaggo（楽しみの消失品）：全12経が楽しみの本質について論じる。
• - Saṭṭhi-peyyāla-vaggo（60の教え品）：全60経から成り、さらなる深い教えを提供。
• - Samudda-vaggo（海品）：全10経が海に関連した比喩と教え。
• - Āsīvisa-vaggo（邪念品）：全11経が邪念や迷いを扱います。

文献と訳本

六処相応は、南伝大蔵経の経蔵においても重要な位置を占めており、特に以下の訳本が知られています。

• - 『南伝大蔵経・経蔵・相応部経典4』（第15巻）大蔵出版
• - 『原始仏典II 相応部経典4』中村元監修 春秋社

また、六処相応に関するさらなるリソースとして、外部リンクも利用できます。例えば、Tipitaka.orgには関連情報が掲載されています。

このように、「六処相応」はその豊富な内容と深い教えから、仏教徒にとって理解を深めるための貴重な文献となっています。

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