六地蔵村

六地蔵村について

六地蔵村（ろくじぞうむら）は、かつて京都府に存在した村で、現在の京都市伏見区と宇治市にまたがる地域に位置していました。その歴史は、平安時代に小野篁が6体の地蔵菩薩像を制作し、大善寺に祀ったことに始まります。この地蔵菩薩像は「京都六地蔵」として知られ、その周辺が六地蔵村と呼ばれるようになりました。

歴史

起源

村の名前の由来となったのは、仁寿2年（852年）に小野篁が一本の桜の木から彫り出したとされる6体の地蔵菩薩像です。これらの地蔵像は、紀伊郡木幡の里にあった大善寺に祀られ、この出来事が六地蔵村の成立につながりました。

奈良街道の分岐点

六地蔵村は、奈良街道の重要な分岐点でした。北に進む道は、ここで深草方面と髭茶屋追分方面に分かれ、交通の要衝としての役割を果たしていました。

伏見城下町の一部

桃山時代から江戸時代初期にかけて、六地蔵村は伏見城の城下町の一部として発展しました。街道沿いには町家が建ち並び、周囲には大名屋敷も多く存在し、伏見城を中心とした中央政治都市の一部を形成していました。特に西町には、伏見奉行や上方郡代を務め、江戸幕府初期の畿内支配に重要な役割を果たした小堀政一（遠州）の屋敷がありました。

江戸時代

小堀遠州の屋敷は、寛永9年（1632年）に清水谷から常磐町に移転しましたが、六地蔵村はその後も幕末まで伏見奉行の管轄下に置かれました。

明治時代以降

明治22年（1889年）の町村制施行により、山科川以西は紀伊郡堀内村大字六地蔵となりました。しかし、昭和6年（1931年）に京都市に編入された際、行政区画としての六地蔵村は消滅しました。一方、山科川以東は宇治郡宇治村の一部となり、現在の宇治市六地蔵としてその名を残しています。

このように、六地蔵村は、その歴史の中で、地蔵信仰の地、交通の要衝、そして城下町の一部として、様々な側面を持って発展してきました。その名前は、行政区画としては消滅したものの、現在の地名としてその歴史を伝えています。

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