山科川

山科川の詳細解説

山科川は、京都市伏見区の千頭岳付近に源を発し、山科区を流れ、最終的に宇治川へと合流する一級河川です。全長は約11.9km、流域面積は約52平方キロ[[メートル]]に及びます。

地理

山科川は、伏見区醍醐陀羅谷の千頭岳付近から流れ出し、伏見区と山科区の境界に沿って西へ進みます。牛尾山法厳寺付近で北へと流れを変え、山中を蛇行しながら山科盆地へと至ります。

盆地に入ると、山科川は西へ流れ、名神高速道路や新奈良街道の下をくぐります。京都市立大塚小学校や音羽中学校の北側を通り、国道1号五条バイパスを経由し、京都市立音羽川小学校の南側を通過します。さらに、地下鉄東西線東野駅の北側で京都外環状線を越え、本願寺山科別院付近から南西へと向きを変えます。

五条バイパスと東海道新幹線が交差する地点の北側で四宮川と合流し、南側では安祥寺川と合流します。京都市立山科中学校の西側を南下し、新十条通と椥辻橋を交差して山科区の中央部を南へ流れ、名神高速道路の北側、京都市立勧修中学校の西側で旧安祥寺川と合流します。この合流点北側は勧修寺公園として整備されています。

勧修寺東出町には、山科川の水位を24時間観測する「勧修寺雨量・水位観測所」が設置されています。その後、山科川は再び伏見区に入り、地下鉄東西線石田駅の西側で合場川と合流し、京都市立石田小学校や石田水環境保全センターの西側を流れます。ここからは、山科川が伏見区小栗栖と宇治市六地蔵の境界線となります。

新六地蔵橋の北側には、六地蔵総合病院（宇治市）とMOMOテラス（京都市伏見区）があります。また、2013年の台風18号で内水氾濫を引き起こした小栗栖排水機場もこの付近に位置しています。新六地蔵橋の下流では、JR奈良線、六地蔵橋、京阪宇治線の各橋梁をくぐり、西へ向きを変え、伏見区内を京阪宇治線の南側と並行するように流れます。最終的に、桃山南口駅の西側で宇治川に合流します。

山科川の上流端は山科区大塚向畑町にあり、そこから上流は京都市が管理する準用河川「山科音羽川」となります。

主な支流

山科川には、以下の主要な支流があります。

四宮川：大津市から流れ込み、藤尾川と合流後、山科川に合流します。
安祥寺川：山科区安朱東谷から流れ、琵琶湖疏水をアンダーパスして山科川に合流します。この川の合流地点では、河川改修工事が行われています。
旧安祥寺川：天智天皇陵付近から流れ、東海道本線をくぐって山科川に合流します。バイパストンネルが建設されています。
竹田川：旧安祥寺川の東を流れ、旧安祥寺川に合流します。過去に浸水被害があったため、河川改修が進められています。
西野山川：清水焼団地付近から流れ、旧安祥寺川に合流します。バイパス地下水路が建設中です。
西野山川支川：西野山川本川からバイパス水路の排水口が設けられています。
高川：伏見区小野から流れ、山科川に合流します。
天田川：小野小町ゆかりの随心院の南を流れ、山科川に合流します。
大日川：山科区大日より流れ、山科川に合流します。
万千代川：醍醐寺の境内南端から流れ、山科川に合流します。
柳戸川：伏見区日野から流れ、山科川に合流します。
合場川：伏見区日野から流れ、日野川と合流後、山科川に合流します。
* 堂の川：宇治市須留集会所付近から流れ、木幡池を経て山科川に合流します。

歴史

山科川が現在の宇治川合流地点に流れるようになったのは昭和以降です。それ以前は、太閤堤の影響で木幡池周辺が排水不良地となっており、山科川も木幡池に流れ込んでいました。

過去には、大正大洪水や室戸台風、京都大水害などにより、山科川流域では度々浸水被害が発生しました。1953年の南山城水害を契機に、淀川水系改修基本計画に基づき、天ヶ瀬ダムの建設や堤防の強化、排水ポンプ場の設置などの治水対策が進められました。

しかし、2013年の台風18号では、支流の安祥寺川が越流し、地下鉄東西線や小栗栖団地で浸水被害が発生しました。特に小栗栖団地では、排水ポンプの停止により甚大な被害が生じました。

近年の取り組み

現在、山科川流域では、過去の教訓を活かし、更なる治水対策が進められています。河川改修工事やバイパス水路の建設など、様々な対策が実施されており、地域住民の安全確保に努めています。

山科川は、その歴史と地理的な特徴から、地域の生活に深く関わる重要な河川です。今後も、地域と一体となって、その保全と活用が図られていくことが期待されます。

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