六川正彦

六川正彦：日本の音楽シーンを彩るベーシスト、作曲家、プロデューサー

六川正彦（ろくかわ まさひこ、1951年7月18日 - ）は、日本の音楽界において多岐にわたる才能を発揮するベーシスト、作曲家、音楽プロデューサーです。有限会社ロコスミュージックの代表取締役を務め、音楽関係者からは親しみを込めて「六さん」と呼ばれています。

音楽への目覚めとプロへの道

東京都中野区で生まれた六川は、幼少期にテレビで観たザ・ピーナッツに憧れ、その公演を熱心に観に行ったそうです。中学生時代には、ザ・ベンチャーズのレコードに衝撃を受け、特にメル・テイラーのドラムスに魅了され、同級生とバンドを結成しドラムを担当しました。高校時代には、グループ・サウンズに憧れてゴーゴー喫茶に入り浸り、アルバイトをしながら生演奏に触れる日々を送りました。ルイズルイス加部や柳ジョージの影響を受け、ドラマーでありながらベースにも興味を持つようになったといいます。

日本大学芸術学部時代には、バンド・グレムリンにベーシストとして参加し、駒沢裕城（はちみつぱい）、土屋昌巳（一風堂）らと交流を深めます。グレムリンのメンバーには土屋潔（美乃家セントラル・ステイション）、井ノ浦英雄（夕焼け楽団）がおり、この時期にミュージシャンとしての道を志すことを決意しました。プロとして活躍していた駒沢の紹介で南佳孝のデビュー・アルバムのレコーディング・リハーサルを見学した際、細野晴臣のベースに衝撃を受け、「自分のスタイルを作らなければ」とプロのベーシストへの思いを強くしたそうです。ヤマハが運営する合歓の郷で半年間、松崎しげる、庄野真代、葛城ユキらのバックバンドとして演奏する仕事を通じて、貴重な経験を積みました。その後、ヤマハの音楽スクールでベース講師を務めた際には、後にプリズムで活躍する渡辺建らを教えたこともあります。

プロとしてのキャリア

1970年代半ばには、南佳孝、吉田美奈子、あがた森魚などとの共演を通じてキャリアを重ね、旧知の土屋昌巳からの誘いで美乃家セントラル・ステイションに加入。大橋純子とは現在もステージで共演しています。アリスのファイナルツアーにもベーシストとして参加し、解散後は堀内孝雄のツアーにも同行しました。サザンオールスターズの野沢秀行とも親交が深く、野沢のユニット・JAPANESE ELECTRIC FOUNDATIONでもベースを担当しています。

1978年には、大瀧詠一プロデュースのNIAGARA FALLIN' STARS名義で発売されたアルバム『LET'S ONDO AGAIN』に収録された多羅尾伴内楽團の『峠の早駕籠』で、光永巌と共に駕籠屋の掛け声を担当しました。

1980年代には、徳武弘文に誘われDr.K Projectとして活動し、中学時代に憧れていた加山雄三のバックで演奏、後にザ・ベンチャーズとも共演を果たしました。

ロコスミュージックの設立

レコーディング・ディレクションを担当していたHUMMING BIRDの所属事務所・シャングリラが倒産した際、関係者を救済するため、1996年11月に新たな音楽プロダクションとしてロコスミュージックを設立。以降も、多くのミュージシャンのライブやレコーディングに参加し、日本の音楽シーンを支え続けています。

六川正彦は、その卓越した音楽センスと長年の経験に裏打ちされた技術で、これからも多くの音楽ファンを魅了し続けることでしょう。

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