六本木純情派

六本木純情派：80年代を彩る荻野目洋子の代表曲

1986年10月29日、荻野目洋子の10枚目のシングル「六本木純情派」がビクター音楽産業よりリリースされました。この曲は、作曲の打ち合わせ場所が六本木であったことがタイトルの由来です。当初はB面曲として予定されていましたが、魅力的なメロディーが関係者の心を掴み、A面へと昇格しました。

この曲は荻野目洋子にとって、大ヒット曲「ダンシング・ヒーロー (Eat You Up)」に続く、代表作となりました。オリコンチャートでは最高位3位を記録し、26万枚を超えるセールスを達成。最終的な累計売上枚数は60万枚にものぼるとされています。TBS系音楽番組『ザ・ベストテン』では、11週連続ランクインという快挙を成し遂げ、最高位2位まで上昇しました。同番組の1986年年間ランキングでは40位、1987年年間ランキングでは54位にランクインするなど、長く人々の記憶に刻まれるヒットとなりました。

「六本木純情派」の高い人気は、チャート記録だけにとどまりません。1987年度の日本音楽著作権協会（JASRAC）発表による楽曲別の著作権使用料分配額（国内作品）では、演歌が上位を占める中、年間7位という高い順位を獲得しました。さらに、この曲は第20回日本有線大賞有線音楽賞、'86 FNS歌謡祭優秀歌謡音楽賞、第29回日本レコード大賞金賞など、数々の権威ある賞を受賞。その音楽的価値と商業的成功を証明しました。

B面には、ファミコン用ゲームソフト『銀河伝承』の主題歌「ロマンティック・オデッセイ」が収録。このシングルから、カセットテープ版も発売され、カセット版にはオリジナルカラオケも収録されていました。

楽曲の制作陣も豪華です。作詞は売野雅勇、作曲は吉実明宏、編曲は新川博という、当時の音楽シーンを牽引した才能が集結しました。吉実明宏は、この曲で第20回日本作曲大賞優秀作曲者賞を受賞しています。

「六本木純情派」は日本国内にとどまらず、海外でも高い評価を受けています。香港の歌手プリシラ・チャンは1987年のアルバム『變、變、變』で広東語版「貪、貪、貪」を収録、イギリスのグループノーランズは1991年のアルバム『TIDAL WAVE～淋しい熱帯魚～』で英語詞の「ROPPONGI STREET」としてカバー、ロシアの女性ヴォーカルユニットMax Luxは2016年のカバーアルバム『砂の果実 Fujiyama Paradise Tribute』に収録、Ms.OOJAは2022年のカバーアルバム『流しのOOJA 2 ～VINTAGE SONG COVERS～』に収録するなど、多くのアーティストによってカバーされています。

「六本木純情派」は、80年代の音楽シーンを象徴する名曲であり、荻野目洋子にとって大きな転機となった楽曲と言えるでしょう。そのキャッチーなメロディーと、時代性を反映した歌詞は、現在でも多くのリスナーを魅了し続けています。

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