六甲砂防事務所

六甲砂防事務所について

六甲砂防事務所は、兵庫県南東部にある六甲山系の土砂災害防止を目的とした国の機関です。日本の国土交通省近畿地方整備局に属し、この地域の砂防事業を専門に担っています。

事業の背景

六甲山系は河川の流れが海に近く、特に梅雨時には降雨量が激しくなる傾向があります。そのため、山の土壌、特に花崗岩質の部分は風化による崩落が起こりやすく、土砂災害が発生しやすい環境にあります。これらの原因から、六甲砂防事務所は、周辺住民やインフラの安全を確保するための大規模な事業を展開し、土砂流出の防止に努めています。

主な施策

事務所では、以下のような施策を行っています。

• - 砂防えん堤の設置: 現在、524基の砂防えん堤が設置されており、土石流を防ぎ、土砂の流出を調整する役割を果たしています。
• - 渓流保全工: 27箇所において渓流の保全工事が行われています。
• - 山腹工事: 49箇所において、山腹の安定化を図るための工事が実施されています。
• - 植林活動: 荒れた山への植林により、土壌の保護を行っています。
• - 危険箇所の周知: 土砂災害危険箇所やその危険度を公表し、住民の意識を高めています。
• - 警戒避難体制の整備: 事前に整備された避難体制により、住民を守る体制が構築されています。

所在地とアクセス

六甲砂防事務所の所在地は、兵庫県神戸市東灘区住吉東町3-13-15です。最寄り駅は阪神電鉄の住吉駅で、JR西日本や神戸新交通の住吉駅へも徒歩圏内ですが、現地に不案内な場合は国道2号の横断に手間取ることがあります。

年表

六甲砂防事務所は、1895年に兵庫県が東六甲の砂防工事に着手したことから始まりました。1897年には砂防法が成立し、1938年の阪神大水害をきっかけに、六甲山系が直轄施工区域に指定されました。その後、1948年には六甲工事事務所として再編成され、1973年には砂防堰堤の数が200基に達します。

1995年の阪神・淡路大震災以降は、緊急時の対策工事も行われました。最近では、六甲山系グリーンベルト整備事業が進められています。事務所の名称は2003年に現在の「六甲砂防事務所」に変更されています。

参考文献と資料

事務所では、過去の活動や成果を記録した『六甲三十年史』や『六甲砂防六十年史』などの刊行物も発行されており、地域における砂防事業の歴史や現在の取り組みが記されています。

まとめ

地域の土砂災害を防ぐために、六甲砂防事務所はさまざまな施策を展開し、市民の安全を守っています。今後もその活動は続けられ、六甲山系の自然環境と人々の生活を共に保護する取り組みが進んでいくことでしょう。

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