六角満高

六角満高（ろっかく みつたか）：激動の時代を生きた近江の守護大名

六角満高は、南北朝時代から室町時代前期にかけて、近江国（現在の滋賀県）の守護大名として活躍した人物です。六角氏の8代当主として、激動の時代を生き抜き、室町幕府との関係の中で独自の地位を築きました。

生涯：足利義満の寵愛から幕府との対立へ

満高は六角氏頼の子として生まれました。正室には、足利基氏の娘を迎えています。父の死後、満高が幼少であったため、佐々木氏傍流の京極高詮が父の猶子として家督を継承しましたが、天授3年/永和3年（1377年）に高詮が追放され、満高が家督を継ぐこととなりました。

満高は、室町幕府3代将軍・足利義満に信任され、その関係は非常に良好でした。満高の子・満綱の室には、義満の娘を迎えるほどでした。しかし、義満の死後、足利義持が4代将軍となると、六角氏と幕府との関係は徐々に悪化していきます。

応永17年（1411年）の飛騨の乱では、幕府からの飛騨国への出陣命令を拒否したことがきっかけとなり、応永17年12月21日（1411年1月15日）には一時的に守護を解任され、同族の青木持通が任ぜられました。しかし、満高はすぐに守護に復帰しています。この事件は、満高と幕府の関係の微妙さを示しています。

応永23年（1416年）に満高は亡くなり、家督は子の満綱が継承しました。

人物像：義満との特別な関係

満高は、幼少の頃から足利義満に近侍を許された愛童の一人であったと伝えられています。そのあまりの寵愛ぶりに、満高を義満の弟とする説も存在するほどです。このことからも、満高と義満の関係が非常に特別なものであったことが窺えます。

六角満高と観音寺城

六角氏は、近江国の観音寺城を拠点としていました。観音寺城は、標高の高い場所に築かれた山城で、軍事的な要衝として重要な役割を果たしました。満高の時代にも、観音寺城は六角氏の勢力を象徴する存在であり続けました。

六角満高は、室町時代の激動期に、幕府との関係に翻弄されながらも、近江国における六角氏の勢力を維持し、その後の発展の基礎を築いた人物として評価されています。

脚注

観音寺城は六角氏の居城であり、満高の時代にも重要な拠点でした。

関連項目

観音寺城

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