京極高詮

京極高詮の生涯と業績

京極高詮（きょうごく たかのり）は、室町時代前期の著名な武将であり、守護大名として数多くの国を治めた人物です。彼は文和元年（1352年）に、京極高秀の子として生まれました。その時期、京極氏は佐々木氏の傍流として、祖父・佐々木道誉の時代に大きな繁栄を見せました。

高詮の生涯は、盛衰の激しい時代において多くの波乱に富んでいました。彼が十数歳のとき、佐々木氏宗家の六角氏頼の嫡男・義信が急死し、高詮は養嗣子として六角氏に赴くことになりました。その後、亀寿丸が生まれるまでの後見役を担い、近江守護の任を受けるも、7年後にはその職を解かれ、京極氏に戻ります。この出来事は、高詮の父が後の康暦の政変で反頼之陣営に加わるきっかけとなりました。

康暦の政変が起きると、高詮の父・高秀は他の武将たちと共に将軍義満に強訴し、政敵である細川頼之を罷免させることに成功しましたが、その結果として京極氏の領土はすべて没収されることとなりました。高詮の動静はあまり知られていませんが、おそらく父や弟と行動を共にしていたと考えられます。

明徳2年（1391年）、高秀の死により高詮は家督を継ぎ、飛騨の守護職に就任します。この年、山名氏が幕府に反発する明徳の乱が勃発し、高詮は幕府方として従軍し、内野合戦での功を上げました。これにより、出雲・隠岐の守護職も任ぜられました。出雲には弟の子・持久を守護代として送ることで、その子孫は後に戦国大名の尼子氏となります。また、出雲大社において祭事の復興にも尽力しました。

応永元年（1394年）から応永5年（1398年）には侍所頭人を務め、山名満幸を捕らえて処刑するなど、武将としての地位を確立しました。出家した後は浄高（じょうこう）と名乗り、主君である義満に従い、京極氏の実権は依然として高詮が握っていました。応永6年（1399年）には応永の乱が勃発し、高詮は幕府側の先鋒を務め、勢力を回復させることに成功しました。応永の乱では、高詮の弟・秀満の反乱も起きましたが、すぐに鎮圧されました。

応永8年（1401年）、高詮は出雲・隠岐・飛騨の守護職を嫡男・高光に継がせた後、49歳で亡くなりました。高詮の死後もその影響力は続き、彼の名声は後世に語り継がれることになります。なお、高詮の名前には「詮」の字が使われ、これは室町幕府の第2代将軍足利義詮から与えられたものと推測されることから、彼の家系の重要性を物語っています。

高詮の時代には、近江尼子氏の初代である尼子詮久など、偏諱を受けた多くの人物も存在しました。高詮の波乱の歴史は、京極氏の発展と変遷を象徴するものとして、今でも研究の対象となっています。

出典

• - 西讃府史
• - 新修島根県史
• - 『寛政重修諸家譜』
• - 『龍涎集』
• - 『常光国師語録』
• - 『佐々木文書』
• - 大阪府史編集専門委員会 編『大阪府史』第4巻《中世編　Ⅱ》

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