六車卓也

六車 卓也（むぐるま たくや）

1961年1月16日生まれの六車卓也は、日本の元プロボクサーであり、WBA世界バンタム級チャンピオンとしても知られる存在です。彼は大阪府大阪市旭区に生まれ、地元の大阪帝拳ジムでボクシングキャリアをスタートさせました。

異名「エンドレス・ファイター」

六車は「エンドレス・ファイター」として知られており、その名の通り、スタミナとタフネスを武器にした連打型のファイターです。彼のトランクスには「MUSHA」とプリントされており、これは高校時代のラグビー部でのあだ名が由来となっています。

学生時代とボクシングの道への転機

近大附属高校時代にはラグビーに所属していたものの、大学1年の冬休みに大阪帝拳ジムに入門し、そこでアマチュアボクシングを経験します。アマチュアでは3戦して2勝1敗とまずまずの成績を収め、1981年4月にはプロデビュー。このデビュー戦では見事に2ラウンドTKO勝ちを収めます。

プロキャリアの始まり

その後、彼は急速に成長を遂げ、1981年12月には西日本フェザー級新人王を獲得し、1982年2月には全日本フェザー級新人王にも輝きます。無敗のまま連勝を続け、1983年11月には日本スーパーバンタム級王者岩本弘行を4回TKOで下し、日本スーパーバンタム級タイトルを手に入れました。その後も王座を4度防衛し続けます。

世界挑戦とハードな道のり

1985年にはOPBF東洋太平洋スーパーバンタム級王者に挑戦しますが、判定で敗れたものの、その後再戦でリベンジを果たしました。1987年に入ると、彼はWBA世界バンタム級タイトルに挑む機会を得ます。この決定戦ではアサエル・モランを5ラウンドTKOで下し、念願の世界王者となるも、その後の初防衛戦では朴讃栄にTKO負けし、わずか2ヶ月でタイトルを手放すこととなりました。

1988年には再度のタイトル挑戦を果たしますが、ウィルフレド・バスケスとの試合は引き分けに終わり、世界王座返り咲きは叶いませんでした。最後の挑戦となったのはファン・ホセ・エストラーダに対する試合で、残念ながら11回TKO負けを喫し、現役を引退します。

引退後の活動

引退後はスポーツメーカーのミズノに入社し、営業職として活躍。その後、肝硬変に苦しむ時期がありましたが、弟の肝臓移植手術を経て、順調に回復を遂げました。2012年からは芦屋大学の客員教授、2013年には特任教授に就任し、ボクシング部の監督としても後進の指導にあたっています。

コーチとしての現在

2018年からは大阪帝拳のヘッドコーチに就任し、若手選手の育成に努めています。六車卓也のボクシング人生は、彼自身の努力と不屈の精神を象徴するものです。これからも彼の戦績と影響力は多くのフィルムで語り継がれることでしょう。

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