六郷氏

六郷氏の概要

六郷氏（ろくごうし）は、日本の歴史において重要な役割を果たしてきた氏族です。彼らは、武蔵江戸氏流と藤原南家為憲流工藤氏流という二つの系統から成り立っています。そのため、六郷氏は文化的にも歴史的にも多様性に富んでいます。

武蔵江戸氏流

六郷氏の一つの流派である武蔵江戸氏流は、武蔵国荏原郡六郷保を本拠とした武士の家系です。その本姓は平氏であり、名族秩父氏に連なる武蔵江戸氏の第7代当主、江戸重長の四男にあたる冬重が祖とされています。江戸重長は畠山氏から養子として迎えられた平姓の武士であり、武士階級の中でも重要な位置を占めていました。彼の名は、応永27年（1420年）に紀伊国熊野神社の御師が編纂した「江戸の名字書立」にも「六郷殿」として記されています。

藤原南家為憲流工藤氏流

もう一つの流派である藤原南家為憲流工藤氏は、出羽国仙北郡六郷邑、現在の秋田県仙北郡美郷町を発祥の地としています。この系統の本姓は藤原朝臣となり、二階堂行綱の弟である行忠の系統にあたります。出羽の地で興った工藤氏流は、二階堂晴泰が足利義晴から偏諱を受け、彼の名を称することで知られ、その後、孫の道行の代に六郷と名乗りました。

江戸時代には、出羽本荘藩の外様大名として2万石を領有し、家系は続いていきました。最後の本荘藩主である六郷政鑑は、戊辰戦争において官軍に参加し、秋田藩と共に庄内藩を征討しました。その功績により、賞典禄として1万石を拝受しました。政鑑は、明治2年（1869年）6月19日に版籍奉還により本荘藩知事に就任し、明治4年（1871年）に廃藩置県が実施されるまで知事の座を保ち続けました。

明治2年に導入された華族制度により、六郷家も大名家として華族に列し、明治17年（1884年）の華族令施行に伴い、旧小藩知事の地位にあった政鑑は子爵に叙せられました。政鑑の子である政賢は、田中製鉄所の取締役を務め、貴族院の子爵議員にも当選しました。その後、政賢の子白雨が六郷子爵家の居所を東京市世田谷区池尻町に構えましたが、白雨は1941年に爵位を返上しました。

歴代当主

六郷家は以下の歴代当主を有しています:

• - 六郷道行
• - 六郷道行
• - 六郷政乗
• - 六郷政勝
• - 六郷政信
• - 六郷政晴
• - 六郷政長
• - 六郷政林
• - 六郷政速
• - 六郷政純
• - 六郷政恒
• - 六郷政殷
• - 六郷政鑑
• - 六郷政賢
• - 六郷政貞（白雨）
• - 六郷勝己

まとめ

このように、六郷氏は日本の歴史において重要な地位を占めてきた氏族です。武士としての役割を通して、また江戸時代や明治時代の政治的変革においても活躍しました。その歴史的背景や系図は、日本社会の中での彼らの影響力を物語っています。

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