兵 (日本軍)

旧日本軍における兵の階級と教育制度

旧日本軍における「兵」とは、軍隊における階級の一つで、いわゆる下士官の下に位置する最も低いランクの軍人を指していました。この階級は1945年まで続けられ、陸軍と海軍ではそれぞれ独自の呼称や昇進手続きがありました。以下では、その詳細について述べます。

陸軍の階級体系

陸軍では、兵は「二等兵」、「一等兵」、「上等兵」、「兵長」といった階級に分けられていました。入隊時には二等兵となり、約半年後の選考を経て一等兵へと昇格します。その後、成績優秀な者は年末に上等兵へと進級することもありました。特に戦時中の優れた功績や傷病による特別扱いがされることもありました。

教育プログラムは、入営から始まり、様々な実技科目と学科が設けられ、階級によって進捗が異なりました。具体的には、以下の教育段階が設けられていました。

1. 第一期教育（約4か月）：基本的な軍事訓練が行われ、初期教練や射撃演習、野外演習などが含まれる。
2. 第二期教育（約1か月半）：中隊教練や衛兵勤務が行われ、各種兵の知識も強化される。
3. 第三期教育（約1か月半）：大隊教練を受け、聯隊の歴史についても学ぶ。
4. 第四期教育（約3か月）：水泳や漕艇術が追加され、旅団長の検閲を受ける。
5. 第五期教育（約1か月）：全ての技術を再確認し、旅団教練が行われる。
6. 第六期教育（約1か月）：秋季演習によって訓練が仕上げられる。

兵役を終えた後は、ほとんどの兵士が一旦除隊となり予備役となりますが、時には除隊日に上等兵に昇進することもありました。

海軍の階級と教育プログラム

海軍では階級は四等兵、三等兵、二等兵、一等兵に分かれていました。最初から四等兵として訓練を受け、海兵団での教育を経て、進級試験によって昇進する仕組みでした。海兵団では、多くの科目を用いた厳格な教育が行われており、視力や基本的な技術が特に重視されました。

海兵団では分隊ごとに分かれ、教育を行う際には大尉や少将が指導を担当し、様々な職階の兵士が教育を受けました。教育内容には、陸上戦闘技術、手旗信号、そして、基本的な船舶操作や警戒などが含まれており、海軍ならではの訓練が展開されていました。

海軍での特有の「しごき」

海軍では、新兵への厳しい鍛錬として有名なのが「しごき」と呼ばれる訓練でした。これは教育の一環として行われ、特に古い慣習が根強く残っていました。この「しごき」は、時に過激であり、新兵が精神的にも肉体的にも大きな苦痛を受けるものでした。

まとめ

総じて、旧日本軍の兵士たちは、厳格な教育と進級制度に従い、各階級で必要な知識と技能を身につけることが求められていました。教育と訓練は厳しかったものの、それは日本の軍事力を支える基盤となっていたことは間違いありません。陸軍と海軍の異なるアプローチは、時代背景や軍艦の特性にも密接に関連していたといえるでしょう。

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