兵庫トヨタ自動車

兵庫トヨタ自動車株式会社：地域に根ざすトヨタディーラーの歴史と挑戦

兵庫トヨタ自動車株式会社は、兵庫県神戸市中央区に本社を構える、トヨタ自動車の正規ディーラー（トヨタ店）です。単なる自動車販売店としてだけでなく、地域社会との深い繋がりを持ち、その発展に貢献してきた企業でもあります。

黎明期から戦後復興、そしてグループ再編へ

その歴史は、意外にも自動車産業の黎明期にまで遡ります。神戸でマッチ製造業を営んでいた瀧川儀作が、自社工場で使用する機械の製造・整備のために設立したカネキ製機所が、その源流です。瀧川は、関東大震災で焼け残った自動車用エンジンを修理し、自動車として販売したことをきっかけに、カネキ自動車商店を発足させました。

1927年には、ゼネラルモータース（GM）が日本での自動車組み立てを開始すると、カネキ自動車商店はシボレーの販売権を獲得し、ディーラーとなります。瀧川勝二はGM販売店協会の会長も務めましたが、トヨタ自動車の発足とともにトヨタへ参加。1937年に特約販売店契約を締結し、神戸トヨタ販売株式会社を設立しました。

第二次世界大戦中には、兵庫県下の自動車販売店4社が企業合同を行い、兵庫県自動車整備配給株式会社となりましたが、戦後に解散。1946年に兵庫トヨタ販売株式会社として再出発し、1948年に現在の兵庫トヨタ自動車に名称変更しました。トヨタ車の新車販売を основной业务とし、中古車販売や車検も行っています。

人材育成と社会貢献

兵庫トヨタは、人材育成にも力を入れてきました。GMによるアメリカ式の技術・販売講習に、日本式の商法の良さを組み合わせた教育は、「瀧川学校」「カネキ学校」と呼ばれ、多くの自動車ディーラー経営者や幹部を輩出しました。また、障がい者雇用にも積極的に取り組み、「障がい者雇用優良事業所」として表彰されるなど、社会貢献にも積極的に取り組んでいます。

2021年には、関連会社とともにグループ再編を行い、持株会社制に移行。「株式会社HTグループ」を設立し、グループ全体の経営資源の効率化と、更なる成長を目指しています。また、同年には大関が経営していたトヨタカローラ兵庫がグループ入りし、より一層の事業拡大を図っています。

販売網の拡大と競争

1956年、トヨタ自動車販売（当時）が一県一社から複数店方式に方針を転換し、新たな販売店としてトヨペット店が発足しました。兵庫県では、カネキ商店の法人格を継承して神戸トヨペットが発足しましたが、この新販売店はトヨタ店との競争を目的としていたため、既存店の資本・経営支配から離れることが条件でした。当時、兵庫トヨタの社長であった瀧川勝二は、この状況を「既得権をもぎ取られる感じ」と述懐しています。

関連会社と今後の展望

現在、兵庫トヨタ自動車は、トヨタカローラ姫路、トヨタレンタリース兵庫、ネッツトヨタゾナ神戸、トヨタカローラ兵庫などの関連会社を持ち、地域に密着した事業展開を行っています。自動車業界は、EV化や自動運転技術の開発など、大きな変革期を迎えていますが、兵庫トヨタ自動車は、これまで培ってきた信頼と実績を基に、新たな時代に向けて挑戦を続けていくことでしょう。

兵庫トヨタ自動車は、単なる自動車販売店ではなく、地域社会の一員として、その発展に貢献していく企業です。その歴史と実績は、兵庫県の自動車産業の発展を語る上で欠かせないものであり、今後の活躍にも期待が寄せられています。

関連会社
トヨタカローラ姫路
トヨタレンタリース兵庫
ネッツトヨタゾナ神戸（旧・トヨタビスタ神戸）
トヨタカローラ兵庫

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