兵庫県道・京都府道11号香美久美浜線

兵庫県道・京都府道11号香美久美浜線

兵庫県道・京都府道11号香美久美浜線（ひょうごけんどう・きょうとふどう11ごうかみくみはません）は、兵庫県美方郡香美町から京都府京丹後市に至る、両府県共同管理の主要地方道です。起点となるのは兵庫県美方郡香美町香住区にある油良口交差点で、ここでは国道178号と接続しています。終点は京都府京丹後市久美浜町の十楽交差点で、こちらも国道178号との交点です。この路線は、兵庫県豊岡市を主な経由地としており、総延長は28.748キロメートルに及びます。

概要

この道路は、兵庫県の豊岡市瀬戸から旧城崎郡香住町（現在の香美町香住区）にかけての区間を中心に、日本海の海岸線に沿って延びています。特にこの区間は、かつて兵庫県道路公社が管理する有料道路、「但馬海岸道路」および「第二但馬海岸道路」として供用されていました。美しい山陰海岸の景色を眺めながら走行できるため、観光ルートとしての側面も持っており、「但馬漁火ライン」という愛称の一部にもなっています。かつては有料でしたが、料金徴収期間が満了したことに伴い、現在は無料開放されています。

歴史

この路線が主要地方道として最初に指定されたのは、1964年（昭和39年）12月28日の建設省（現在の国土交通省）によるものです。その後、1966年（昭和41年）2月1日には兵庫県が県道として11号の整理番号を与え認定しました。なお、この11号という番号は、かつて主要地方道明石飾磨相生線で使用されていましたが、その大部分が国道250号に昇格したことで廃止された番号が引き継がれたものです。一方、京都府では翌年の1967年（昭和42年）2月10日に、主要地方道香住久美浜線として48号の整理番号で認定されました。

有料道路であった「但馬海岸道路」は、豊岡市瀬戸から同市竹野町までの9.9キロメートル区間で、1965年（昭和40年）7月1日に供用を開始しました。これは、当時船か狭い歩道しか交通手段がなく「陸の孤島」と呼ばれていた沿岸集落にとって、初めての本格的な陸上交通路を確保するという重要な役割を果たしました。建設には自衛隊が協力し、1962年9月に完成したもので、事業費は約2億3千万円でした。「第二但馬海岸道路」は、豊岡市竹野町から当時の城崎郡香住町（現在の香美町香住区）までの8.9キロメートル区間で、約9億3千万円の事業費を投じて1972年（昭和47年）12月1日に供用が始まりました。

1993年（平成5年）5月11日、建設省により再び主要地方道として指定され、これを受けて1994年（平成6年）4月1日には、兵庫県道、京都府道ともに整理番号が11号に統一され、「兵庫県道11号・京都府道11号香住久美浜線」となりました。そして、1995年（平成7年）7月1日には、「但馬海岸道路」と「第二但馬海岸道路」の両区間が無料開放されました。その後の市町村合併を経て、旧香住町が香美町の一部となったことを受け、2006年（平成18年）4月1日には現在の名称である「兵庫県道11号・京都府道11号香美久美浜線」に改称されています。

地理

この路線が通過する自治体は、兵庫県内の美方郡香美町、豊岡市、そして京都府内の京丹後市です。途中で複数の道路と重複する区間があります。兵庫県豊岡市瀬戸の瀬戸交差点から同市小島にかけては、兵庫県道3号豊岡瀬戸線と重複しています。また、京都府京丹後市久美浜町の須地交差点から同町土居の土居交差点にかけては、京都府道・兵庫県道122号久美浜気比線と重複します。起終点で接続する国道178号のほか、重複区間においてこれらの県道とも交差しています。

関連項目

兵庫県の県道一覧
京都府の府道一覧
無料開放された道路一覧
但馬漁火ライン

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