兵庫県と
大阪府にまたがる一般県府道で、
兵庫県西宮市津門大塚町の
北今津交差点(
国道2号交点)を起点とし、
大阪府豊中市稲津町2丁目の
稲津町交差点(
国道176号、
国道479号交点)を終点としています。この路線は、全体として一本の道を連続して進むというよりは、地域の様々な
道路を組み合わせて形成された複雑な経路を持っています。
西宮市内では、起点の北今津交差点から両度町交差点にかけて、都市計画
道路である今津西線の一部として南北に伸びます。両度町交差点で経路は分岐し、ここからは
阪神・淡路大震災からの復興期に整備された都市計画
道路球場前線として、
阪急神戸本線・
阪急今津線の
西宮北口駅方面へ東西方向に延びます。
西宮北口駅周辺では、
阪急今津線の球場前
踏切を越えた先で経路が旧道と新道に分かれます。旧道は
西宮北口駅南東口前を通りますが、二輪以外の自動車の通行は禁止されています。一方、新道は
阪急西宮ガーデンズのすぐ脇を通る2車線の
道路です。この新道は、阪急電鉄が
阪急西宮スタジアム跡地を再開発して
阪急西宮ガーデンズを建設する際に、スタジアムの敷地内に整備され、後に
兵庫県に売却された経緯があります。この計画は球場前線の東側への延伸ルートとして進められましたが、沿線では環境悪化や交通渋滞への懸念から反対運動も発生しました。
西宮市と
尼崎市の間では、
武庫川を
上武庫橋で渡ります。この橋にはかつて、自転車歩行者専用橋と車道専用橋(幅員4.5mの1車線、大型車通行禁止)の2本が架かっていました。特に車道橋は幅が狭く交通に制約がありましたが、
阪神・淡路大震災が発生した際、当路線の南側を並行する主要幹線である山手幹線が
西宮市側で未架橋だったため、この県道が重要な代替ルートとしての役割を担いました。架橋から長い年月を経て老朽化が進んだため、架け替え工事が行われ、
2008年春に幅員7.5mの2車線
道路として歩道と車道を一体化した新たな橋が供用開始されました。
尼崎市内に入ると、南武庫之荘6丁目東交差点から武庫町2丁目東交差点にかけては南北方向の区間となり、途中で
阪急神戸本線を立体交差で越えます。この区間は歩道がなく、地域の
生活道路に近い性格を持っています。武庫町2丁目東交差点からは、都市計画
道路である園田西武庫線として再び東西方向に進み、塚口本町6丁目北交差点に至ります。この区間では、
2009年9月以降、一部(
富松城跡前交差点~塚口本町6丁目北交差点間1.2km)に、また
2013年以降にはさらに広い範囲(武庫之荘3西交差点~塚口本町6丁目北交差点間2.4km)に自転車専用通行帯が整備されています。
塚口本町6丁目北交差点からは、
兵庫県道13号尼崎池田線と重複する区間となり、
JR福知山線を立体交差で越えてピッコロシアター南交差点まで続きます。この重複区間を過ぎた若王寺交差点付近から東園田町付近にかけては、県道に指定されているにも関わらず、非常に狭い
道路となり、一部では西行き
一方通行となっている箇所や、約50mにわたって自動車が通り抜けできない区間も存在します。
尼崎市内の東園田付近より東側と、
大阪府内の全線は、
国道479号(大阪内環状線)の延長線上にあり、府県道として指定されている区間も、
国道479号と合わせて大阪内環状線の一部と呼ばれることがあります。
兵庫県と
大阪府の境を流れる
猪名川は
新南園橋で渡りますが、この橋は
兵庫県側を含めて
大阪府が管理しており、街灯には「
大阪府 内環西」というステッカーが見られます。新南園橋のすぐ南側には
南園橋がありますが、こちらは旧道の東園田町付近の西行き
一方通行の延長上にあり、内環状線延長部が開通するまでは車道でしたが、現在は歩道橋として架け替えられています。
阪神高速11号池田線や
大阪府道10号・兵庫県道100号大阪池田線と交差する上津島交差点より東の区間は、特に交通量が非常に多いです。
全体としてこの県府道を見ると、いくつかの独立した
道路を繋ぎ合わせたような印象があり、起点から終点まで全線を通して走行する車はほとんど見られません。また、ほぼ全区間にわたって南側に4車線の
山手幹線が並行しており、全区間を速やかに移動したい場合は、こちらを利用する方が便利であることが多いです。
将来に向けた動きとして、塚口本町6丁目北交差点から
三菱電機伊丹製作所の敷地を地下で通過し、
藻川を橋で渡って東園田町に至る
バイパス道路の事業が進められています。
兵庫県が主体となり整備が進められているこのバイパスが完成すると、路線の経路が変更される可能性があります。このうち、
尼崎市御園一丁目から塚口本町六丁目までの
御園工区(909m)は
2025年3月23日に開通しました。また、武庫町2丁目東交差点から西へ
武庫川を渡る新たな
道路の計画もあり、武庫町3丁目付近には計画のための用地が確保されています。
主な道路施設:
通過する自治体:
交差する主な鉄道:
主な沿線施設:
JR西宮駅、
兵庫県立芸術文化センター、阪急
西宮北口駅、
阪急西宮ガーデンズ、
兵庫県立尼崎北高等学校、
三菱電機伊丹製作所、阪急・JR塚口駅、
兵庫県立尼崎青少年創造劇場(ピッコロシアター)、
兵庫県立尼崎双星高等学校など。