兵庫県道27号太子御津線

兵庫県道27号太子御津線（ひょうごけんどう27ごうたいしみつせん）は、兵庫県南西部に位置する揖保郡太子町からたつの市御津町に至る主要地方道として位置づけられています。この県道は、起点を揖保郡太子町鵤（いかるが）の鵤東交差点に置き、国道179号と接続しています。終点はたつの市御津町釜屋（かまや）にある新舞子入口交差点で、ここでは国道250号および兵庫県道133号網干停車場新舞子線と交差しています。総延長はおよそ5.512キロメートルであり、比較的短いながらも地域における重要な幹線道路としての役割を担っています。

認定までの経緯

この県道の現在の形態に至るまでには、いくつかの歴史的な変遷があります。路線の起源は、1954年（昭和29年）1月20日に建設省（現在の国土交通省）によって主要地方道として指定された「山崎御津線」に遡ります。これを受けて、同年11月24日には兵庫県が県道26号山崎御津線として認定しました。その後、1971年（昭和46年）6月26日、建設省は山崎御津線を分割し、新たに「太子御津線」を主要地方道として指定します。この国の動きに対応し、兵庫県は翌1972年（昭和47年）3月1日付で従来の県道26号山崎御津線を廃止するとともに、改めて県道27号太子御津線を認定しました。この際に付けられた整理番号「27」は、同日に廃止された香住浜坂鳥取線（現在は国道178号の一部）の番号が転用されたものです。さらに、1993年（平成5年）5月11日には、建設省によって県道太子御津線が再び主要地方道として正式に指定され、現在の路線としての位置付けが強固なものとなりました。

路線の状況と特徴

兵庫県道27号太子御津線は、西播磨地域における南北方向の主要な交通路として機能しており、特に国道179号（かつての国道2号）と海岸線を走る国道250号という二つの重要な国道を直接結ぶことから、その役割は大きいと言えます。沿線は揖保郡太子町、姫路市、たつの市の三つの自治体を通過します。

路線の途中には、他の県道や国道との重複区間がいくつか存在します。

兵庫県道437号東觜崎網干停車場線：姫路市網干区高田地内の一部区間が重複しています。
国道250号：姫路市網干区余子浜（網干大橋東交差点）から終点のたつの市御津町釜屋（新舞子入口交差点）までの区間は、国道250号と重複して走行します。
* 兵庫県道133号網干停車場新舞子線：たつの市御津町苅屋（苅屋交差点）から終点のたつの市御津町釜屋（新舞子入口交差点）までの区間が重複しています。

地域内の交通量の増加に対応するため、この県道では路線の改良が進められています。特に、起点側と終点側のそれぞれ約1キロメートルについては、重複区間を除く単独区間において新道への付け替えが完了し、よりスムーズな交通が可能となりました。また、JR網干駅の西側では、鉄道を跨ぐ跨線橋の整備が進められており、これにより地域の交通ネットワークの利便性がさらに向上することが期待されています。

交通インフラの整備に加え、新たな試みも導入されています。2017年3月には、起点側の新道区間において、西播磨県民局管内としては初めてとなる自転車専用通行帯が設けられました。これは、自転車利用者の安全確保と環境に配慮した交通手段の推進を目的としたもので、地域における交通多様化の取り組みの一環と言えます。

沿線の施設

沿線には、地域の歴史や文化に関わる施設も点在しています。特に注目されるものとして、魚吹八幡神社（うすきはちまんじんじゃ）が挙げられます。秋季に開催される大規模な秋季例祭は、近隣はもとより広範囲から多くの見物客が訪れることで知られ、この県道はそのアクセスルートの一つとしても利用されています。

兵庫県道27号太子御津線は、このように地域の骨格をなす幹線道路として、日々の交通だけでなく、地域社会の活動や発展を支える上で重要な役割を担っています。

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