兵庫県道28号上郡末広線

兵庫県道28号上郡末広線

兵庫県道28号上郡末広線（ひょうごけんどう28ごう かみごおりすえひろせん）は、兵庫県南西部に位置する赤穂郡上郡町を起点とし、佐用郡佐用町の末広地区を終点とする主要地方道の一つです。兵庫県が管理する主要な道路として、沿線地域の交通ネットワークにおいて重要な位置を占めています。

この路線は、特に学術研究施設や先端産業が集積する播磨科学公園都市を南北に縦断するルートの一部となっており、都市へのアクセス道路としても機能しています。地域住民の日常生活や経済活動を支える上で、欠かせない幹線道路としての役割を担っています。

路線に関する情報

兵庫県道28号上郡末広線の具体的な路線情報は以下の通りです。

起点: 赤穂郡上郡町上郡（上郡橋東交差点）
終点: 佐用郡佐用町末広（市ノ上交差点）
* 総延長: 約25.492キロメートル

起点は、赤穂郡上郡町の上郡市街地に位置する上郡橋東交差点であり、ここから佐用町方面へ向かって路線が始まります。終点は、佐用郡佐用町の末広地区にある市ノ上交差点で、他の主要な道路と接続しています。総延長は約25.5キロメートルに及び、その経路は上郡町からたつの市の一部を経由し、佐用町へと至ります。

成立までの経緯

現在の兵庫県道28号上郡末広線は、その番号が指定されるまでに複数の変遷を経ています。

かつて、1972年（昭和47年）3月1日時点においては、兵庫県内で28号の主要地方道として指定されていたのは、村岡若桜線でした。この路線は、現在の国道482号の一部区間に該当し、兵庫県北部を結んでいましたが、1993年（平成5年）4月1日に国道へ昇格したことにより、県道としての指定を解かれ、28号という番号は一旦使用されない状態となりました。

その後の1993年（平成5年）5月11日、建設省（現在の国土交通省）は、新たな主要地方道として「上郡三日月線」を指定する方針を告示しました。この時点では、既存の県道である下莇原上郡線の一部と、同じく県道の千種上郡線の一部を統合・再編する形で計画されていました。そして、同年12月20日には、この「上郡三日月線」が正式に兵庫県の県道として認定され、空き番号となっていた28号が割り当てられることになりました。これが現在の兵庫県道28号の直接的な前身となります。

さらに時代が下り、2006年（平成18年）4月1日には、路線の名称が現在の「上郡末広線」へと改称されました。この改称は、沿線自治体の合併や地域名称の変更など、社会状況の変化に合わせて行われたものと考えられます。

路線の状況と通過地域

兵庫県道28号上郡末広線は、大部分の区間において単独路線として経路を形成していますが、一部の区間では他の県道と重複しています。具体的には、赤穂郡上郡町野桑地区付近において、兵庫県道449号多賀相生線と重複する区間が存在します。この区間を走行する際には、両路線の標識が併設されているのを確認することができます。

通過する自治体は、起点の赤穂郡上郡町、経路の途中でごくわずかですがたつの市（旧新宮町域）、そして終点の佐用郡佐用町の3市町にまたがっています。

沿線における重要な施設としては、国の大型放射光施設SPring-8をはじめとする研究機関や先端企業が集まる播磨科学公園都市が挙げられます。県道28号は、この広大な都市の西側を南北に貫くように通っており、都市内や都市へのアクセスを担う基幹道路の一つとしての役割を果たしています。周辺には豊かな自然が残る地域も多く、景観の変化も楽しめる路線です。

地域の幹線として

兵庫県道28号上郡末広線は、歴史的な変遷を経て現在の姿となり、赤穂郡上郡町と佐用郡佐用町を結ぶ地域間の主要な交通路であるとともに、播磨科学公園都市という学術・産業拠点へのアクセスを支える重要な幹線道路です。沿線地域の発展に貢献し続ける役割を担っています。

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