兵庫県道58号西宮停車場線

兵庫県道58号西宮停車場線は、兵庫県南東部に位置する西宮市を走る主要地方道の一つです。この道路は、西日本旅客鉄道（JR西日本）の東海道本線、西宮駅の駅前と、日本の主要幹線道路である国道2号が交差するJR西宮駅前交差点を結ぶ非常に短い区間から構成されています。その全長はわずか41メートルであり、日本の県道の中でも特に短い部類に入ります。

「西宮停車場線」という名称は、過去にJR西宮駅が「西ノ宮駅」という名称であったことに由来しています。「停車場」とは、かつて鉄道駅を指す一般名称として用いられていました。駅名の変更後も、この県道の名称には旧駅名に基づいた歴史的な呼び方が残されています。これは、地域における駅の歴史的変遷を今に伝える一例とも言えるでしょう。

この主要地方道の起点は、西宮市池田町にあるJR西宮駅の駅前広場です。一方、終点は同じく西宮市池田町に位置するJR西宮駅前交差点であり、ここで国道2号と接続しています。この区間全体の総延長は前述の通り41メートルです。これは、道路としての機能が、主に駅利用者や駅周辺の交通が国道2号へアクセスするための非常に限定的な、しかし重要な役割に特化していることを示しています。

兵庫県道58号西宮停車場線が主要地方道として指定されたのは、比較的近年のことです。具体的には、1993年（平成5年）5月11日に建設省（現在の国土交通省）によって、この路線が主要地方道の一つに指定されました。短い区間ながらも主要地方道に指定された背景には、JR西宮駅が地域の重要な交通拠点であり、そこから主要幹線である国道2号への接続部分が、交通ネットワーク全体の中で重要な役割を担っていると認められたためと考えられます。

この路線が通過する自治体は、兵庫県西宮市のみです。西宮市は兵庫県の阪神地域に位置し、交通の要衝でもあります。接続する主要道路は、日本の大動脈とも言える国道2号です。国道2号は、大阪市から福岡市に至る長距離の一般国道であり、西宮市内も東西に貫いています。西宮停車場線は、この国道2号とJR西宮駅という二つの重要な交通結節点を直接結びつける役割を果たしています。沿線には、当然のことながらJR西日本東海道本線の西宮駅があります。

兵庫県道58号西宮停車場線は、その延長距離の短さにおいて特異な存在ですが、JR西宮駅と国道2号という、地域交通網における極めて重要な二点を結ぶ役割を担っています。主要地方道に指定されていることからも、その短い区間が持つ機能的重要性が見て取れます。旧駅名に由来する名称は、この路線の歴史を静かに物語っています。駅の利用者が円滑に国道へアクセスし、また国道から駅へ向かうための、短いながらも不可欠な動線として機能しています。

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