兵庫県道60号明石停車場線

兵庫県道60号明石停車場線

兵庫県道60号明石停車場線（ひょうごけんどう60ごう あかしていしゃじょうせん）は、日本の兵庫県明石市にかつて存在した主要地方道の一つです。この道路は、明石市の交通結節点であるJR西日本山陽本線（JR神戸線）および山陽電気鉄道山陽明石駅と、駅前地域を結ぶアクセス路線として機能していました。現在は県道としての指定を解除され、明石市が管理する市道となっています。

概要と路線データ

兵庫県道60号明石停車場線は、非常に短いながらも、明石駅への重要な連絡路としての役割を担っていました。その路線の詳細データは以下の通りです。

• - 起点: 明石市大明石1丁目（明石駅東口交差点）
• - 終点: 明石市大明石1丁目（明石駅前交差点、国道2号交点）

特筆すべきはその総延長で、わずか95メートルという短い距離でした。これは日本の主要地方道の中でも特異な例と言えます。路線の具体的な経路としては、明石駅の東口付近にある交差点から始まり、駅前広場を経て、主要幹線道路である国道2号が通る明石駅前交差点に至る区間でした。この短い区間が、鉄道駅と都市の主要道路を結ぶ重要な動脈としての機能を有していました。

歴史的変遷

兵庫県道60号明石停車場線は、指定から解除に至るまで、いくつかの重要な歴史的節目を経験しています。

まず、平成5年（1993年）5月11日には、当時の建設省（現在の国土交通省）によって、この明石停車場線が正式に主要地方道として指定されました。これは、路線の短さにもかかわらず、明石駅という主要な交通拠点へのアクセス路としての公共性および重要性が国によって認められたことを意味します。この指定により、道路の整備や維持管理において、県が主要な役割を担うこととなりました。

次に大きな変化が訪れたのは、平成21年（2009年）9月1日のことです。この日付けの兵庫県告示第966号に基づき、兵庫県が管理していた本路線の管理権限が、明石市へと移譲されました。これは、地域の実情に合わせた道路管理を推進するためなど、さまざまな理由に基づくと考えられますが、これにより路線の日常的な管理や維持は明石市が行うこととなりました。

そして最終的に、平成30年（2018年）6月19日、兵庫県告示第587号をもって、兵庫県道60号明石停車場線としての県道の認定が正式に解除されました。これにより、この道路は法的に県道としての地位を失い、現在は明石市が管理する市道としてその役割を継続しています。県道としての歴史は幕を閉じましたが、明石駅への主要なアクセスルートとして、その機能は現在も引き継がれています。

地理的情報

本路線が通過していたのは、兵庫県明石市のみです。その全区間が明石市大明石1丁目内に収まっており、他の市町村を跨ぐことはありませんでした。沿線には、前述の通りJR明石駅と山陽明石駅という二つの鉄道駅が近接しており、駅からの徒歩移動や送迎車両にとって不可欠な経路でした。終点である明石駅前交差点では、東西に伸びる国道2号と接続しており、駅から市街地や広域へのアクセスを可能にしていました。他の主要な道路との交差は確認されていません。

この短い駅前道路は、県道としての期間を経て、現在は市道として明石駅周辺の円滑な交通を支え続けています。

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