兵庫県道87号関宮小代線

概要

兵庫県道87号関宮小代線は、兵庫県養父市から美方郡香美町に至る、地域にとって重要な役割を担う主要地方道です。この路線は、養父市の旧関宮町域と美方郡香美町小代区とを連絡しています。起点は養父市関宮にあり、終点は美方郡香美町小代区に位置しています。山間部を通過する区間が多く、総延長は約24.96キロメートルに及びます。単なる生活道路としてだけでなく、沿線に点在するスキー場や高原などの主要な観光地へのアクセスを支える観光道路としての側面も持っています。

路線の歴史と名称の変遷

現在の関宮小代線は、過去に幾度か名称が変更されてきました。この路線が主要地方道として国の指定を受けたのは、1993年（平成5年）5月11日のことです。当時は、それまで存在した県道秋岡関宮線および県道福岡関宮線の一部区間を統合する形で、「県道関宮美方線」として指定されました。

その後、平成の大合併という自治体再編の動きに合わせて、路線の名称も変わっていきました。まず、2004年（平成16年）4月1日に養父郡の各町が合併して養父市が誕生したことを受け、路線の起点側の地名が養父市となったため、「兵庫県道87号養父美方線」と改称されました。さらに、2005年（平成17年）4月1日には、美方郡の各町が合併して香美町が成立し、旧美方町が香美町小代区となったことから、路線の終点側の地域名に合わせて「兵庫県道87号養父小代線」へと変更されました。そして、2013年（平成25年）4月1日、起点の地名がより具体的に関宮であることが明記され、「兵庫県道87号関宮小代線」という現在の正式名称となりました。この名称の変遷は、沿線地域の行政区分の歴史的な変遷を色濃く反映しています。

路線データ

本路線の具体的なデータは以下の通りです。

起点: 養父市関宮。国道9号と交差する関神社前交差点が路線の始まりとなります。
終点: 美方郡香美町小代区秋岡。ここでは国道482号と接続し、路線が結ばれます。
* 総延長: 道路全体の長さはおよそ24.960キロメートルです。

通行不能区間

兵庫県道87号関宮小代線には、現在も車両が物理的に通行できない区間が存在しています。これは、養父市大久保と美方郡香美町小代区新屋の間に位置する区間です。この未開通・通行不能区間の存在により、起終点間をこの路線のみで完全に通り抜けることはできません。

地理

この県道が通過する自治体は、養父市と美方郡香美町の二つの市町です。路線のほとんどは、兵庫県の北部、中国山地の東部に位置する山間部を縫うように走ります。

特に香美町小代区側の沿線には、豊かな自然とそれに恵まれた観光施設が多く見られます。冬期には雪を楽しむ多くの人が訪れるミカタスノーパーク、そして避暑地やレジャーの中心として知られる鉢伏高原やハチ北高原といった著名なスキー場や高原地帯への主要なアクセス路の一つとなっています。また、関西地方を代表する山の一つである氷ノ山の麓や関連施設へのルートとしても利用されています。これらの観光資源へのアクセスを担うため、季節によっては多くの車両が通行します。

本路線が起点および終点で交差する主要な道路は、国道9号（起点の養父市関宮）と国道482号（終点の香美町小代区秋岡）です。

近年の整備事業

路線の改良も進められています。近年では、2021年（令和3年）7月21日に、養父市内の吉井バイパス（延長2.1キロメートル）が開通しました。このようなバイパス整備は、地域の交通利便性や安全性の向上に寄与することが期待されています。

まとめ

兵庫県道87号関宮小代線は、養父市と香美町小代区を結ぶ山間部の重要な主要地方道です。度重なる名称変更の歴史を持ち、一部に通行不能区間が存在するという特徴を持ちながらも、地域の生活や、沿線の豊富な観光資源へのアクセスを支える重要な役割を担っています。バイパス整備などの改良も進められており、今後も地域にとって欠かせない道路であり続けるでしょう。

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