小代区

兵庫県香美町小代区：但馬牛のふるさと

概要

兵庫県美方郡香美町に位置する小代区は、周囲を山々に囲まれた自然豊かな地域です。かつては美方町として独立していましたが、2005年の町合併後、住民の強い要望により「小代区」として生まれ変わりました。矢田川の源流域に位置し、集落は一つの谷間に形成されています。その地形から「小さい田んぼ」を意味する「小代」という地名が付けられたとされています。棚田の美しい景観は、今もこの地の象徴となっています。

2012年には「日本で最も美しい村」連合に加盟。登録地域資源として「和牛のふるさととしての小代」と「みかた残酷マラソン全国大会」が認定されています。

地理と自然

小代区は、兵庫県北部の但馬地方に位置し、山々に囲まれた谷間にあるため、非常に自然豊かな環境です。北流する矢田川の源流域をなす、小代谷という一つの谷が、旧町全体を構成する珍しい地理的特徴を持っています。

この地域は、古くから棚田農業が盛んであり、その美しい景観は多くの観光客を魅了しています。特に「うへ山の棚田」は、棚田百選にも選ばれています。また、渓谷美も素晴らしく、吉滝（裏見の滝）、久須部渓谷、小代渓谷、新屋八反滝など、見どころが豊富です。全国しゃくなげ公園では、約7000本のシャクナゲが咲き誇り、春の美しい景色を楽しむことができます。

歴史

1955年、小代村と射添村が合併して美方町が成立しました。その後、1961年には旧射添村地域が村岡町に編入され、美方町は旧小代村地域のみとなりました。2005年、美方町、村岡町、香住町が合併して香美町が誕生した際に、住民の強い要望により、旧村名である「小代」を冠した「小代区」となりました。

この地は、但馬牛の改良に大きく貢献した前田周助や田尻松蔵といった人物を輩出し、現在の但馬牛の基礎を築いた場所として知られています。特に田尻松蔵が育てた田尻号は、現在の黒毛和牛の99.9％の祖先となる名牛です。そのため、「和牛のふるさと」として広く知られています。

観光とイベント

小代区には、多くの観光スポットやイベントがあります。

名所・旧跡・観光スポット: 吉滝、久須部渓谷、小代渓谷、新屋八反滝、うへ山の棚田、但馬牛ミニ博物館、全国しゃくなげ公園、小代古代体験の森、添水唐臼小屋、多数の神社など。
レジャー: おじろスキー場、香美町小代ひまわりパーク、ミカタスノーパーク、美方高原牧場、ふれあい温泉おじろん、吉滝キャンプ場・コテージ村、奥但馬 美方高原コテージ村、オーベルジュ花郷里、尼崎市立美方高原自然の家「とちのき村」など。
* イベント: 兵庫県雪合戦大会、美方高原雪まつり、全国しゃくなげ公園まつり、みかた残酷マラソン全国大会、ふるさと小代夏祭り、各地区の盆祭り、古代体験の森 萩祭り、美方感謝祭、「日本で最も美しい村」香美町小代村まつり、但馬牛ゆったりウォークなど、年間を通して様々なイベントが開催されています。


産業

小代区の主要産業は、但馬牛の飼育とそれに関連する産業です。香美町村岡区、新温泉町と共に但馬牛の閉鎖的育種が行われており、良質な但馬牛の生産に貢献しています。その他、農業（米、小豆、ワサビなど）、観光業などが盛んです。スッポンやチョウザメの養殖なども行われ、独特の特産品を生み出しています。


アクセス

公共交通機関は全但バスが主要交通手段であり、JR山陰本線八鹿駅から秋岡線でアクセスできます。香美町町民バスも運行しています。また、国道482号をはじめとする道路網も整備されています。


まとめ

小代区は、豊かな自然と歴史、そして但馬牛というブランドを擁する魅力的な地域です。美しい棚田や渓谷、そして地域住民の温かさを感じることができる場所として、多くの人々を惹きつけています。 今後ますます発展していく地域として期待されています。

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