兵站部財務官

兵站部財務官

兵站部財務官（へいたんぶざいむかん、英: Treasurer of the Ordnance）は、イギリス軍需局の役職で、軍需総監の下で財務を担当していました。この役職は1670年に設立され、1836年に廃止されました。

歴史的背景

兵站部の財務管理の必要性は1540年代に注目されました。当時、軍需局の活動が拡大していく中で、専任の財務担当者は存在しませんでした。1542年から1547年にかけてはロンドン塔管理長官が財務を一手に請け負い、その後1547年からは軍需局副長官と測量総監が共同で財務を管理していました。

しかし、財務を専門に担当する役職を必要とする声が高まり、最終的には1670年に兵站部財務官が設立されました。この任命は国璽が押印された特許状の形で行われ、任期は陛下の意向によって決定されていました。年俸は特許状に記載され、40ポンドであったことが知られています。

最後の兵站部財務官

兵站部財務官の最後の持ち主は第4代準男爵サー・ヘンリー・パーネルで、1835年に海軍財務長官および軍事支払総監に任命されました。1836年12月1日には特許状により、軍事支払総監、海軍会計長官、兵站部財務官、チェルシー王立病院の支払及び会計長官が統合され、新たに設立された支払総監職に移行しました。これにより、兵站部財務官の役職はその使命を終えました。

歴代財務官の一覧

兵站部財務官として、数名がこの職を歴任しました。以下に主な歴代財務官を示します。

• - ジョージ・ウォートン (1670年11月25日 – 1681年8月12日)
• - チャールズ・バーティー閣下 (1681年8月12日 – 1699年6月8日)
• - ハリー・モードント閣下 (1699年6月8日 – 1702年6月16日)
• - チャールズ・エヴァーズフィールド (1712年6月30日 – 1714年12月2日)
• - ジョン・プランプター (1720年5月21日 – 1751年9月29日)
• - フランシス・ガッシュリー (1751年12月31日 – 1762年5月19日)
• - ジョン・ロス・マッカイ (1763年5月10日 – 1780年11月28日)
• - ウィリアム・アダム (1780年11月28日 – 1782年5月27日)
• - ウィリアム・スミス (1782年5月27日 – 1783年5月10日)
• - トマス・アルコック (1810年1月30日 – 1818年6月20日)
• - トマス・クリーヴィー (1831年1月31日 – 1835年1月12日)

このように、兵站部財務官はイギリス軍需局の経済的な運営において重要な役割を果たしていました。役職の終焉は、当時の税制や軍事管理の変化に起因しており、役職に対する需要も変化していったと言えるでしょう。

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