兵馬司

兵馬司について

兵馬司（ひょうまし）は、日本の律令制において兵部省に属していた機関です。「つわもののうまのつかさ」とも訓じられ、その名の通り、軍事に関わる馬の管理を主な役割としていました。

職掌

兵馬司の主な職掌は、以下の通りです。

全国の牧の管理: 全国各地に設置された牧の管理を行い、軍馬を育成しました。
軍馬の管理: 軍事に使用する馬の管理を行い、その品質を維持しました。
公私の牛馬の管理: 公的なものだけでなく、私的な牛馬の管理も担当し、牛馬に関する様々な業務を行いました。この点は、朝廷での飼養を主とする馬寮とは異なる点です。
駅伝制の管理: 全国の駅伝制度の維持管理を行い、人や物の円滑な輸送を支えました。

これらの職掌から、兵馬司が軍事力だけでなく、社会的なインフラ維持にも重要な役割を担っていたことがわかります。

歴史

兵馬司は、大同3年（808年）に廃止され、その職務は左馬寮と右馬寮に引き継がれました。この廃止は、律令制の変遷や、より効率的な官制への再編を反映したものと考えられます。

職員構成

兵馬司には、以下の職員が配置されていました。

正（しょう）: 官位は正六位上。長官として兵馬司の運営を統括しました。
佑（う）: 官位は従七位下。正を補佐し、実務を担当しました。
大令史（だいれいし）: 官位は大初位上。事務処理を担当しました。
小令史（しょうれいし）: 官位は大初位下。大令史を補佐し、事務処理を行いました。
使部（しぶ）: 雑務を担当しました。
直丁（じきちょう）: 雑務を担当しました。

これらの職員によって、兵馬司の業務が遂行されました。

関連事項

日本の官制: 兵馬司は、律令制における官制の一部であり、その役割は当時の社会構造を理解する上で重要です。
兵部省: 兵馬司は兵部省に属しており、軍事や武官に関わる行政機関でした。

兵馬司は、日本の律令制を支えた重要な機関であり、その歴史や役割を理解することは、古代日本の社会制度を深く理解する上で欠かせません。

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