具志川島(ぐしかわじま)
具志川
島は、
沖縄県島尻郡
伊是名村字諸見に位置する無人
島です。地元住民からは「グシチャー」という愛称でも親しまれています。
地理
伊是名島の北西約2kmに位置し、面積0.47km²、周囲約4.2km、標高28mの東西に細長い隆起
サンゴ礁の
島です。
島の東端は東崎(あがりさき)、西端はユウギ崎と呼ばれています。
島の周囲は
サンゴ礁が発達しており、
島内は松林に覆われています。また、浜辺から
島内部にかけて野生の
タバコが自生しています。
かつては北東岸に岩盤からの湧水があり、「大川」と呼ばれ、
島内唯一の水源とされていました。他にも茶川などの水源があったと伝えられています。
島内にはウサギやヤギが野生で生息しています。
歴史
「
伊是名村誌」によると、
1880年(明治13年)には24人が居住していました。
1930年(昭和5年)には
伊是名村立具志川
島小学校が開校。第二次世界大戦後には人口が急増し、100人を超えた時期もありました。
1952年(昭和27年)には
伊是名村立伊是名中学校具志川
島分校が設置され、
1957年(昭和32年)には小学校と合併し、
伊是名村立具志川
島小中学校となりました。しかし、
1955年(昭和30年)頃から人口は急激に減少し、
1960年(昭和35年)の
国勢調査では31人となりました。
人口減少により、
1964年(昭和39年)に中学校は
伊是名島側の伊是名中学校に統合され閉校。小学校は
伊是名村立具志川
島小学校として存続しましたが、
1966年(昭和41年)の児童数は8名、へき地等級は5級でした。
1969年(昭和44年)に
伊是名村立伊是名小学校の
分校(具志川
島分校)となり、翌
1970年(昭和45年)に閉校しました。
1970年(昭和45年)に最後の住民が
伊是名島に移住し、具志川
島は無人
島となりました。有人
島時代には定期航路がなく、
島民は自家用船で
伊是名島へ渡っていました。
島内には
病院などがなかったため、生活は厳しかったとされています。
集落は
島の東側に位置し、廃校となった伊是名小学校の
分校や、かつての
集落跡が残っています。しかし、これらの
集落跡は灌木や藪に覆われており、接近は困難です。
かつて
島西部には
砂丘がありましたが、
1975年(昭和50年)の
沖縄国際海洋博覧会で使用するために砂が大量に採取され、地形が大きく変化しました。
砂丘の減少により、海岸線は
台風などの影響を受けやすくなっています。砂採取の際に建設された
桟橋は、現在も損壊した状態で残っています。
2016年(平成28年)には、具志川
島周辺の海域で国内最大級のハナヤサイサンゴ属のサンゴ群落が発見されました。
遺跡
1960年代に
貝塚が発見されて以来、発掘調査が続けられ、人骨、
土器、
装身具などが多数出土しています。これらの遺跡群は具志川
島遺跡群と呼ばれています。岩立(シーダチ)遺跡からは、約2000年前の
貝の
装身具を身に着けた人骨が発見された他、
彫刻が施された
貝殻の
装身具(イモガイ
貝製品)や、約3000年前の人骨、岩陰での生活跡(炉の跡、焼石遺構、
貝殻)が見つかっています。
アクセス
定期航路はないため、
伊是名島・内花港から渡し船をチャーターする必要があります。
参考文献
* 「
沖縄県伊是名村 具志川
島遺跡群発掘調査概要報告書」(2011年)
沖縄県立埋蔵文化財センター