桟橋

桟橋（さんばし）について

桟橋は、船舶が接岸して荷物の積み卸しや人の乗り降りを行うための構造物であり、国際的には「pier」と呼ばれています。この施設は、港や湾の重要な部分をなしており、船と岸を繋ぐ役割を果たしています。桟橋は主に2つの分類方法で分けられますが、その基本的な役割はどの形式でも変わりません。

桟橋の種類

桟橋は、その配置と構造によって異なる形式に分類されます。

配置による分類

1. 縦桟橋（突堤桟橋）: 護岸に対して直角に設けられる桟橋で、多くの大規模な港で見られます。
2. 横桟橋（片桟橋）: 護岸に平行に構築された形式で、一般的には小型の船舶用です。
3. 島桟橋（島式桟橋、Detached pier）: 護岸から離れた水域に設けられ、一定の水深を持つため、大型船舶が利用しやすい造りとなっています。

構造による分類

1. 直杭式桟橋: 最も一般的な桟橋の形式で、多くの杭が打設されているのが特徴です。
2. 組杭式桟橋: 斜杭を設けた組杭形式で、構造的に安定性を持っています。
3. ストラット式桟橋: 杭とストラットを用いた補強構造で、上部の強度を高めています。
4. ジャケット式桟橋: 立体的なトラス構造と杭を合わせた形式で、大型クレーンを用いて設置されることが多いです。

桟橋の役割と重要性

桟橋は、商業的な用途だけでなく、観光やレクリエーションの面でも重要な役割を果たしています。例えば、観光用の船が接岸することで、観光客が容易に移動できる環境が整います。また、漁業用途や貨物輸送においても、桟橋は欠かせません。

日本における桟橋

日本では、桟橋も「さん橋」という表記がされることがあります。これは「桟」という漢字が当用漢字に含まれていなかったことによります。桟橋の設置は、港湾法に基づく港湾施設の一部として位置付けられています。

事例

例えば、横浜市に位置する「大さん橋」は、桟橋の名称がついていますが、実際にはその構造は岸壁に近いものです。また、南極のマクマード基地では、氷の桟橋が設置され、特殊な環境に適応した形で利用されているように、桟橋の形状や構造は場所によって大きく異なります。

桟橋は、海や川などの水域における重要なインフラストラクチャーであり、さまざまな機能を持つことから、利用されるその場その場のニーズに応じた形で設けられています。これらの多様性が、全国の港湾施設が持つ独自性を高める要因となっています。

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