具本雄

具本雄の生涯と業績

具本雄（ク・ボヌン、朝鮮語: 구본웅、1906年3月7日 - 1952年2月2日）は、日本統治時代および大韓民国における著名な画家、彫刻家、美術評論家として知られています。彼は綾城具氏に本貫を持ち、号は西山（ソサン、서산）です。

幼少期と教育

具本雄は漢城府で生まれましたが、幼少期に使用人の事故により脊椎を傷めてしまい、その結果、肢体障害者としての人生を歩むことになりました。しかし、逆境を乗り越え、彼は芸術に対する情熱を持ち続けました。高校に通う期間中、彼は高羲東から洋画を学び、彫刻に興味を持つようになりました。その後、金復鎮に師事して彫刻技術を磨いていきました。

彼の才能は、1930年代の朝鮮美術展覧会で初めて花開きました。彼の作品『顔習作』は彫刻部門で特選に選ばれ、大きな注目を集めました。これを契機に、彼は日本に留学し、川端画学校や日本大学、さらに太平洋美術学校（現・太平洋画会研究所）で技術を習得しました。在学中には2度の個展も開催し、才能を高めていきました。

帰国と活動

1933年に帰国した具本雄は、1934年に牧日会を創設し、韓国の美術界に影響を与えていきました。また、1938年には総合文芸誌『青色誌』を創刊し、李箱や李陸史といった著名な作家の作品を掲載するなど、文学と美術の架け橋としての役割を果たしました。彼の活動は美術評論にも及び、幅広い知識と見識を基に、アーティストとしてだけでなく評論家としても存在感を示しました。

戦後の活動と死

1946年には米軍政庁の文教部の編修局で美術科目の編纂を行い、戦後の韓国における美術教育の基盤を築く一助となりました。しかしながら、朝鮮戦争中にはソウルに避難することを余儀なくされ、ソウル新聞で嘱託としての仕事を続けました。1948年には健康を害し、急性肺炎により1952年に46歳でこの世を去りました。

彼の死後、1954年には遺作展が開催され、彼の残した作品が再評価される場となりました。また、1974年には遺作展と共に『虚屯記』が出版され、彼の芸術的な遺産が今も尚、語り継がれています。

まとめ

具本雄の生涯は、逆境を乗り越えて芸術の世界で活躍した一人のアーティストの物語です。彼の作品は、彼自身の体験や視点を反映しており、今も韓国美術の歴史の中で重要な位置を占めています。

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