典厩寺

典厩寺について

典厩寺（てんきゅうじ）は長野県長野市篠ノ井杵淵に位置する曹洞宗の寺院で、その山号は松操山（しょうぞうさん）です。この寺院は、1561年に起こった川中島の戦いで武田信繁が討ち死にしたことに深く関係しています。寺の名称も信繁の官職であった「左馬助（さまのすけ）」の唐名「典厩」に由来しており、松代藩主であった真田信之がその遺志を慰めるために寺号を改めたとされています。

歴史的背景

かつて典厩寺は瑠璃光山鶴巣寺と称し、薬師如来を本尊としていました。しかし、戦いにより信繁がここ八幡原でその生涯を終えたことから、寺はその存在意義を新たにしました。寺院の本堂の左手には、信繁の墓があり、ここには討死した甲越両軍の戦死者を祀る弔魂碑も存在します。信繁は戦で命を落とした後、上杉方に敵の首を取られましたが、彼の家臣たちが追いかけ、取り戻したものの、首は領地の小諸に戻されたため、寺には信繁の胴体だけが埋葬されているとも伝えられています。

墓所と供養塔

信繁の墓のそばには、真田信之が密かに建立したとされる小さな供養塔があります。この供養塔は、当時の幕府の目を避けながら真田家が信繁を弔った証とされており、訪れる人々にその歴史を伝えています。

閻魔堂と閻魔大王像

本堂の前には閻魔堂が構えています。この堂には、日本一の大きさを誇る閻魔大王像があり、高さは約6メートルにも及びます。これは川中島合戦から300年を記念して造られたもので、東京一大きいとの記録も残されています。この閻魔大王像は訪れる人々に大きな印象を与え、寺院の重要な文化財の一部となっています。

記念館

境内には1966年に完成した川中島合戦記念館があり、歴史的な資料や寺宝が60点以上収蔵されています。訪れる者は、寺の歴史や文化を深く理解し、記念の品々を通じて過去に思いを馳せることができます。

交通アクセス

アクセス方法としては、北陸新幹線を利用し長野駅から川中島バスに乗り、「水沢典厩寺」で下車後、徒歩で約8分の距離です。また、上信越自動車道の長野インターチェンジからは車で約3分で到着できます。観光や歴史散策をするには絶好の立地にあり、多くの参拝者や観光客が訪れています。

まとめ

典厩寺は武田信繁に深く結びついた歴史的な寺院であり、訪れる人々に戦国時代の思いを伝える貴重な場所です。信繁の霊を祀る墓所や文化財が点在するこの寺院は、歴史愛好家だけでなく、静かなひと時を過ごしたい方々にも、訪れる価値のあるスポットです。

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