兼子由利子

兼子 由利子（かねこ ゆりこ）

兼子由利子氏は、1964年5月28日に千葉県で生まれた、日本の元女性声優です。キャリアにおいては、数々の実力派声優が所属する81プロデュースに籍を置き、主に1980年代後半から1990年代にかけて精力的に活動しました。テレビアニメを中心に、劇場アニメ、吹き替え、人形劇、コンピューターゲームなど、多岐にわたる分野でその声を聞かせました。

特にアニメーション作品への貢献が多く、幅広い役柄を演じ分けています。以下に主な出演作品を挙げます。

テレビアニメ

1988年：『それいけ!アンパンマン』では、ネコ美（3代目）、キイ子（初代）、イチゴちゃん（初代）、カッパくん（2代目）、コルクぼうやといった、複数の個性的なキャラクターを担当しました。
1991年：NHK教育テレビで放送された『おばけのホーリー』では、主人公のホーリー役を務め、作品の顔として多くの視聴者に親しまれました。この役は彼女の代表的な出演の一つとして記憶されています。
1991年：『わたしとわたし ふたりのロッテ』では、モニカ役を演じました。
1992年：NHKの人形劇を原作としたアニメ『チロリン村物語』では、レモン夫人とコンキチの二役を担当しました。
1994年：『おまかせスクラッパーズ』にシェル、ワークボット、そして少女役で出演しました。
1994年：サッカーアニメ『ゴールFH』では、宮本拓也役を演じました。
1994年：冒険アニメ『モンタナ・ジョーンズ』にも出演しています。
1995年：『アリス探偵局』では、松尾ノ芭蕉役を担当しました。
1995年：『ヤンボウ ニンボウ トンボウ』では、王子役を演じました。

劇場アニメ

1990年：短編映画『海だ!船出だ!にこにこぷん』では、クジラ役として参加しました。

吹き替え

海外作品の日本語吹き替えにおいても活動しており、『ガジェット警部』や『西遊記 孫悟空対白骨婦人』（小猿3役）、ホラー映画の金字塔『13日の金曜日』、そして人気シットコム『フルハウス』ではアマンダとレニーの声を担当するなど、様々なジャンルの作品に関わりました。その他に『バイカーマイス』への出演記録もあります。

人形劇

NHK教育テレビで放送された人形劇『あつまれ!じゃんけんぽん』では、トッポとルーイというキャラクターの声を担当し、子供向け番組での活躍も見られました。

カセット・ゲーム・その他

声優としての活動はアニメや吹き替えに留まらず、カセットドラマ『三姉妹探偵団』や、1996年に発売されたコンピューターゲーム『TIZ -Tokyo Insect Zoo-』でオトシブミ役を務めるなど、メディアを問わず幅広く展開しました。また、教育番組『ひとりでできるもん!』のキッチン役や、『まんがで読む古典 徒然草』といったコンテンツにも参加しています。

兼子由利子氏は、このように多様な作品で個性豊かなキャラクターたちに命を吹き込み、日本の声優業界において確かな足跡を残した人物と言えるでしょう。

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